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2004.10.21(木)更新
 

このときめきは なんだろう このぬくもりは なんだろう
抱きしめたいほど 切なくて 触れる勇気は ないけれど

松平健 錦秋公演

松平健 錦秋公演
  話題のマツケンサンバを
   踊り、歌う松平健
 夕焼けの大川端で、ひとりこの「たったひとつのめぐり逢い」を歌うのは紛れもなく、あの松平健の暴れん坊将軍吉宗こと徳田新之助。笑うなかれ、その少し前には、大鳥れい扮する瓦版屋のお夏に素性を聞かれてジッと見つめ合い、ほんとに抱き合わんばかりだったのだ。

 何が当たるか、何が化けるか分からないのが芸能界。正統派時代劇俳優のひとり松平が、金ピカの衣装で歌い、踊る“マツケンサンバ”で大フィーバーしているのだという。

 その松平が、芸能生活30周年記念と銘打つ今月の舞台も本人の強い希望でミュージカル版の「暴れん坊将軍スペシャル 唄(うた)って踊って八百八町」になったという次第。

 母への鎮魂の舞を舞う吉宗に巡礼の幻影が見えて母を思い出させるのを発端に、夢の世界になり新之助が庶民の中に登場する。阿部照義作、水谷幹夫演出、荒木とよひさ作詞、甲斐正人作曲。

 「帰りゃんせ 帰りゃんせ 母が恋しと 帰りゃんせ」と哀愁を帯びた「風車」が主題歌のように流れるから、吉宗の母を恋うる話のイメージが強い。松平はラブソングを含め、まるで歌手のように歌いまくるが低音につやのある声が魅力だ。

 お定まりの大団円の後は、初めて生で見る「マツケンサンバ」。たわいなくても、舞台のみんなが楽しいなら、客席も乗ります。

(八月一日 教宏)

  =新宿コマ劇場 10月29日まで=


松平健 愛知県豊橋市出身。小劇団、勝新太郎の付き人を経て、75年「座頭市物語」でテレビデビュー。「吉宗評判記 暴れん坊将軍」の放送開始は78年。

=2004年10月21日朝日新聞(東京本社版)
夕刊マリオンから

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