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「東京駅」
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駅に来ても携帯電話で
仕事の話をする淑子(佐久間良子)
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「恋はレトロに三番ホーム」の副題がつく、ベテラン佐久間良子と杉浦直樹の初顔合わせによる大人のラブストリーである。“レトロ”とは対照的な小道具、携帯電話を頻繁に使うところに作意も見える水谷龍二作、西川信廣演出の舞台だ。
東京駅の銀の鈴待ち合わせ場所。今は出版社社長の淑子もキャリーバッグを引き、ピンクのストラップを付けた携帯電話で話しながら現れる。社員旅行の待ち合わせである。
その淑子が怒りながら謝っていたのを面白がった李(小宮孝泰)に「あなたも、お仕事、忙しいですね」と言われ「今日はお休みで、仕事は一切しないつもりだったのに」と、携帯電話が不便な理由を説明する。
淑子は18年前、妻子ある作家の重村と銀の鈴で待ち合わせ、3番ホームから駆け落ちするはずだった。2時間待ったが重村は現れなかった。
その重村に偶然出会った淑子が会社の相棒早苗(江波杏子)に旅行に行けなくなったことを必死に説明する。作り話と見抜いている当の早苗が電話で受け答えしながら淑子の目の前にヌッと現れる。
いずれも携帯電話という物を考えさせるシーンだが、それが不自然とも思えないのがちょっと怖い気もする。劇は重村の持ち込んだ本の出版話がご破算になって、何事もなかったように18年間待った2人の恋の新たな始まりを告げて終わる。
(八月一日 教宏)
=芸術座 12月28日まで=
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銀の鈴待ち合わせ場所 シンボルの鈴は直径70センチ、高さ92センチ、重さ80キロ。1968年、東京駅名店街から寄贈された。「動輪の広場」も待ち合わせの利用が多いスポット。
=2004年12月2日朝日新聞(東京本社版) 夕刊マリオンから
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