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「梅ごよみ」
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玉三郎の仇吉(手前)と勘九郎の米八
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初夏の隅田川。屋形船から姿を見せた浴衣姿の芸者仇吉が、よろめいて、すれ違った船に遊女屋の若だんな、丹次郎を見つけ、うっとりと言う。その身のこなし、言い回しがなんともあだっぽい。
芸者の米八と深い仲になって勘当の身の丹次郎は久しぶりに会った許嫁(いいなずけ)のお蝶を送る途中で、お蝶を見とがめた米八に散々あてこすりを言われてきたばかり。その上、仇吉が一目ぼれしてしまって色男を間に辰巳芸者の意地の張り合いが始まる。
張りと意気地が身上の辰巳芸者を活写した歌舞伎だ。
玉三郎の仇吉、勘九郎の米八は、今やこの芝居のゴールデンコンビ。猿之助不在の中、一門の若手が登用されていて、丹次郎は今年大役続きの段治郎。もちろん初めての役だ。
すでに一緒に暮らしている米八の方が部が悪く、彼女が仇吉と丹次郎が会っている座敷に乗り込んでのけんかはすさまじい。
「お前の亭主か知らないが、披露をしたという噂(うわさ)も聞いたこともなし、色となりゃ五分と五分……この後丹さんは、私一人でかわいがるから、そう思っておくんなさいよ」
「そりゃァおかたじけ、どうぞたくさんかわいがって、おくれと言いたいが、まァよそうよ。お前さんちょいと−−」
丹次郎は、いつの間にか消えていた。
(八月一日 教宏)
=歌舞伎座 12月26日まで=
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辰巳芸者 江戸・深川の芸者のこと。深川が江戸城から見て辰巳(東南)の方角だったことから、そう呼んだ。男のように意気と侠気(きょうき)を売り物にした。
=2004年12月16日朝日新聞(東京本社版) 夕刊マリオンから
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