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「操三番叟」
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染五郎の三番叟。手前は 後見の猿弥
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能の「翁(おきな)」をなぞった祝儀曲「式三番叟(さんばそう)」をさらにアレンジして、三番目に登場する老人(叟)が、糸繰りの人形になって踊るのが「操三番叟」。なんでも面白おかしくして見せてしまうのが歌舞伎らしいところで、その人形ぶりはおかしいだけでなくスリルさえある。
とは言っても初芝居を寿(ことほ)ぐ出し物であることに違いはない。前半の千歳(高麗蔵)、翁(歌六)のくだりは厳粛だ。「人の山なす蓬莱(ほうらい)に鶴の羽重ね亀の尾の」と続く「千代の始めの初芝居」は、今の時代となってはすぐにはめでたさまで実感できないにしても新年らしいし、呪文のような翁の「とうとうたらり」にも違和感はない。
主演の三番叟は染五郎。今回で5度目だが、歌舞伎座の序幕を務めるのは初めて、しかも正月である。
「歌舞伎らしい華やかでおおらかな幕開きにしたい」と初芝居に臨んだ。
金地に日の丸の烏帽子(えぼし)、こっけいな顔。そんな人形の三番叟が、アンバランスな日本情緒に満ちた長唄に合わせて踊り進むうちに厳かな気分になるから不思議だ。
「千秋万歳万々歳、五風十雨も穏やかに、恵みを願う種蒔(ま)きと」
糸が絡まって倒れ、操る後見(猿弥)が慎重に糸をほぐして再び息を吹き返した三番叟は、鈴で種を蒔くしぐさを見せながら舞い納める。
(八月一日 教宏)
=歌舞伎座 1月26日まで=
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原曲は「柳糸引御摂(やなぎのいとひくやごひいき)」で嘉永6年(1853)の初演の時は、千歳、翁もゼンマイ仕掛けの人形で踊る趣向だった。染五郎は「松廼(の)寿操三番叟」の題名で演じている。
=2005年1月6日朝日新聞(東京本社版) 夕刊マリオンから
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