|
「SHAKESPEARE’S R&J」
|
|
佐藤隆太(左)、首藤康之
|
ジュリエットとの短い逢瀬(おうせ)のあと、別れを嘆くロミオのセリフ。学校生活を経験したことのある人なら誰にでも覚えのある例えが、この芝居にぴったりくる。
厳格なカトリックの全寮制男子校で、堅苦しい学校生活を送る4人の高校生(首藤康之、佐藤隆太、小林高鹿、浦井健治)。ミサと暗唱を繰り返す単調な生活に飽きた彼らは、こっそりシェークスピアの本を持ち出して「ロミオとジュリエット」を演じ始める。
規則で読むことを禁じられているシェークスピアを、真夜中に隠れて演じることに酔いしれる現代の高校生たちの、狂乱とさえ言えるような興奮。禁じられた仇(かたき)同士の恋に燃え上がり、生き急ぐように破滅へとひた走る若い恋人たちの情熱。同じように抑圧された状況の下、若者たちの感情がシンクロしてゆく。
学生1(首藤)が演じるロミオと学生2(佐藤)が演じるジュリエットが舞踏会で恋に落ちるシーン。キスに至るまで、恐怖と興奮に震え何度も尻込みする2人をもどかしく眺めつつ、2人がロミオとジュリエットなのか、学生1と学生2なのか、どちらでもよいと思わせるエネルギーが舞台からあふれている。
若者特有の残酷さや凶暴性ものぞかせながら、恋人たちは悲劇のラストへ、高校生たちは夢の終わりへと疾走する。「ゆうべ夢を見た」と、はずむような声で始まった彼らの劇は、沈みきった声の同じセリフで幕を閉じる。
(根岸 華奈子)
=パルコ劇場 2月20日まで=
◆
ジョー・カラルコ脚色・演出。赤い布や懐中電灯など、最小限の小道具が効果的に使われている。
=2005年2月10日朝日新聞(東京本社版) 夕刊マリオンから
|