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「初恋道中」
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氷川きよしの森の石松
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氷川きよしが、2年ぶり2回目の歌手芝居の殿堂で見せているのは、かつての日本のアイドル清水一家の暴れん坊、森の石松。
富士山が大きく見える清水港で茶摘み娘が、「ちゃっきり節」を歌いながら踊る中、「喧嘩(けんか)だぁ」の声で船頭2人の首ねっこを押さえて石松が飛び出して来る。
博打(ばくち)でいんちきされたのだ。「畜生っ、田舎者だと馬鹿にしやがって」と大声で「おれはな」と名乗り始める。
眼帯が水中眼鏡みたいなのも愛嬌(あいきょう)で、長ドスを差した威勢のよさがいかにも若々しい石松だ。
茶店から飛び出してきた幼なじみお花の「石さん」の声に一瞬、キョトン。そして「おら、今日初めて森の町から出てきたんだ。清水港じゃなにか、そんなにおらぁ売れてんのかい」と言うと、間髪入れずに「売れてるよぉー!」と客席の大合唱。
「おれは会いたかったよう」と言えば「ワー!」の大歓声が起こる。
中年女性の氷川ファンがマンモス劇場を連日埋め尽くして大フィーバーしているのだ。開幕前に拍手が起こるのは、美空ひばり以来だそうだ。
次郎長親分が世話になった甲州屋の娘と番頭を甲府へ送る道中での恋が描かれるが、石松は氷川の柄に合い、何より、人気者がファンを大動員した芝居の醍醐味(だいごみ)を実感させる舞台である。
(八月一日 教宏)
=新宿コマ劇場 3月28日まで=
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森の石松は、大正から昭和の初めの講談師神田伯山が創造した架空の人物。浪曲の広沢虎造が取り上げ、その名調子で広く親しまれた。今回は、映画監督沢島忠の作、演出。
=2005年3月17日朝日新聞(東京本社版) 夕刊マリオンから
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