asahi-mullion.comのロゴ
トップページ  ■サイトマップ  ■検索ページ

バックナンバー
神田神保町(1) 靖国通り沿い

 本格的な本好きは、いつか必ず古書の世界を訪れることになる。

 新刊書店は水の流れでいえば渓流であり、川である。あっという間に流れ去る。そして海へと流れつく。
 つまり古書界とは川が流れ込む本の大海なのである。

 そして世界に冠たる古書の豊饒(ほうじょう)の海こそが、他でもない神田神保町なのだ。

 
レトロな雰囲気の書店。左右対称に双子の趣が、特に人目を引く
(写真・横田正大)
 ところで「本の神田」などといわれるためJRの神田駅から神保町をめざしては相当難儀なことになる。

 JRの御茶ノ水駅から駿河台下へ下るか、地下鉄の神保町駅から地上に出る。 駿河台下から神保町交差点、そして専修大学前交差点まで、靖国通りの、とくに進行方向左側は古書店が軒を連ねる。

 店の前のワゴンで売られる、いわゆる均一本を物色したり、今も残る戦前の店舗建築などをながめながら歩くだけでもかなり満足度のゆく散歩となる。

 しかし、それぞれの店が扱っている本のジャンルを知ると、神保町歩きは一層楽しいものとなる。

 いつもは「迷ったり遠まわりも散歩の楽しみのうち。親切すぎる地図やデータに頼りきるな」などと主張している私も、本をさがすとなれば、やっぱり古書店地図は必要かな、と思う。
 店の位置がわかることもあるが、扱う本のジャンルが紹介されているからだ。
 簡便な「神田古書店地図帖(ちょう)」が、主だった古書店で、ただで配られている。

 さて、靖国通り沿いには駿河台下から、文学書の三茶書房、浮世絵の大屋書房、均一本マニアも日参する和洋文学書の田村書店
 さらに東京史の秦川堂書店、そして演劇関係でこの店を知らなければモグリといわれる矢口書店、邦楽・歌舞伎の豊田書房と、知る人ぞ知る名店のオンパレードとなる。

 この「奇跡」の町・神保町が存在する間に、神保町を歩こう。古書を買おう。

→ 神田神保町(2)「人劇通り」周辺 へ

坂崎 重盛 (エッセイスト・題字も)



2002年9月4日付 朝日新聞(東京本社)「マリオン」から
asahi-mullion.comのトップページへ
asahi-mullion.comトップページへ

このホームページ(asahi-mullion.com)についてのご意見や情報提供は
mullion-hp@asahi.com

朝日新聞のマリオン紙面への掲載や問い合わせなどは
郵便番号104-8011 朝日マリオン21−マリオン編集部
(TEL03-5540-7411 FAX03-3545-0525)
Eメールはmullion-ppr@asahi.com

asahi-mullion.comに掲載の記事や情報、写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2004 Asahi Mullion 21. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.