asahi-mullion.comのロゴ
トップページ  ■サイトマップ  ■検索ページ

バックナンバー
本郷(1) 菊坂上道周辺

 神楽坂が6回ほど続いたので、大久保通りより先の矢来町方面はまたの機会ということにして、本郷へ。

 大江戸線の開通によって本郷の町が、より訪れやすくなった。

金魚坂の店の裏は金魚の飼育池。金魚すくいも出来る 
(写真・横田正大)

 この町は、いままで、ちょっと見忘れられた感があるだけに、びっくりするほどの古い景観が現存する。立ち寄りたい食べ物屋も多い。

 まずは、地下鉄で本郷三丁目に出る。本郷といえば江戸時代からの小間物屋・かねやすがあるが、その向かいの角が大学最中(も・なか)の本郷三原堂。東大にちなんでのものだろうが味は本格的。

 三丁目交差点から本郷通りを少し東大の方へ歩くと近江屋洋菓子店。ここのカレーパンは超人気で、すぐに売り切れてしまう。

 そうそう、パンといえば菊坂に入る手前の明月堂。ここの甘食は昔からのファンが多い。また、近江屋も明月堂もパンを入れてくれる紙袋のデザインが、なんともレトロ・モダンでうれしくなる。お土産に買って帰りたくなる。

 ちょっとしたお土産を買えば、それで気持ちは落ち着く。それでは、菊坂を下ってゆくか。

 ところで、この付近に金魚坂という坂がある、と人から聞いた。そんな坂があったっけ、と思いつつ菊坂を下ってゆくと、左側、福屋酒店の少し先の右の路地に、金魚坂の看板がある。金魚坂? これは地名ではなく、店名なのであった。

 しかも方角的には、昔から「本郷に金魚の市場あり」のあたり。そう、金魚坂とは、この金魚屋の敷地内の、モダンなレストランの名だったのである。

 ここで、しっかりと焙煎(ばい・せん)したコーヒーとアップルパイをいただきながら、お店の人に聞けば、ここの金魚市場、もう300年前からとのこと。

 堀の中の金魚をのぞくとさすがに並の美しさではない。初夏の光を反射してユラユラと、幻想的ですらある。本郷は白日夢散歩から始まった。

→ 本郷(2) 菊坂下道周辺 へ

坂崎 重盛 (エッセイスト・題字も)




2003年5月21日付 朝日新聞(東京本社)「マリオン」から
asahi-mullion.comのトップページへ
asahi-mullion.comトップページへ

このホームページ(asahi-mullion.com)についてのご意見や情報提供は
mullion-hp@asahi.com

朝日新聞のマリオン紙面への掲載や問い合わせなどは
郵便番号104-8011 朝日マリオン21−マリオン編集部
(TEL03-5540-7411 FAX03-3545-0525)
Eメールはmullion-ppr@asahi.com

asahi-mullion.comに掲載の記事や情報、写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2004 Asahi Mullion 21. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.