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本郷(3) カレーと古書店

 本郷といえば東京大学。大学の街には古書店がなければならぬ。そして居心地のよい喫茶店と、青春の食べ物・カレーライスの店。

机やイス、タイルの床。そして昭和9年から使用のレジ。居心地のいい万定の店内 
(写真・横田正大)

 まずは大学側、本郷三丁目交差点からすぐ、欧風カレーのプティフがある。テレビのカレー選手権で優勝したことで話題の店。グラスビール130円がうれしい。味のバリエーションも豊富。
 そのすぐ先がアルルカン。ケーキとハーブティーの看板が出ているが、野菜をふんだんに煮込んだカレーが人気。持ち帰り用のハーブカレーもある。

 道の反対側は古書店が軒を連ねる。三丁目交差点から、しばらく歩くと、まず鈴木書店が法律、経済の教科書。大山堂書店は科学史関係で知られるが江戸・東京物もあり幅広い。

 おっと古書店に気を取られて、大山堂隣のインド料理DARJEELING(ダージリン)を通り過ぎてしまった。ここでは、インド人スタッフによる本格的インドカレーが食べられる。しかも女性が一人でも気軽に入れる店。

 さらに先に進もう。山喜房仏書林は店名の通り仏教書中心。原書店は社会科学系の洋書。
 通称、落第横丁を入って右がペリカン書房。近代文学で有名な店だ。しかし、このところずっと店は閉まったまま。本郷郵便局の脇を左に曲がった横丁、左が、医学、博物学の木村書店

 通りに戻って本郷郵便局の先に喫茶ルオーの看板が見える。喫茶店とはいうものの、ここのセイロン風カレーは本郷名物。私は、2階窓際の席が好きだ。

 ルオーの先に第一書房。歴史、民族学の店。そして立派な看板の井上書店。扱うジャンルも幅広い。

 その先の路地を入れば、右に“本郷の主(ぬし)”のような万定(まんさだ)フルーツパーラー。この建物が美しく、大正3年創業の店内には、アンティークそのもののレジスターがある。ここのカレーを食べると“学士さん”の気分がしてくる。

→ 本郷(4) 古書店と横丁 へ

坂崎 重盛 (エッセイスト・題字も)




2003年6月4日付 朝日新聞(東京本社)「マリオン」から
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