asahi-mullion.comのロゴ
トップページ  ■サイトマップ  ■検索ページ

バックナンバー
両国・柳橋(2) 柳橋界隈

 浅草橋の上に立つ。この橋は区境になっていて、真ん中より手前の浅草橋駅寄りは台東区、先は中央区。

 橋の左右をながめれば、右に三浦屋、左、柳橋側に田中屋あみ新小松屋などの船宿が見え、客待ちの屋形船がひっそりと波の上。
 小松屋は江戸前のつくだ煮が人気。とくに「一と口あなご」のつくだ煮は、江戸前の夏の風物をしのばせる。
 「柳橋」の名のとおり、小松屋の店先、また、対岸には柳の葉が風にゆれて、いかにも下町の川辺の気分。

鮮やかな緑色の鉄橋と赤い屋形船。お台場の夜景を見物する船遊びが人気だ 
(写真・横田正大)

 ここ柳橋には古今の文人に愛されてきた料亭がある。今は立派なビルとなってしまったが亀清楼(かめせいろう)。
 かつては亀清楼も、この柳橋ももちろん木造。しかし今日の鉄橋の柳橋も、なかなかレトロな雰囲気。昭和4年建造のモダン鉄橋である。

 柳橋を渡って両国橋に向かう前に、少し、柳橋界隈(かいわい)の横丁を歩いてみる。

 ここは東京屈指の花柳界のあったところ。それが隅田川が汚れに汚れ、川辺に建つ料亭が営業に困難をきたすほどになり、急激に衰退してゆく。
 色街・柳橋の面影、今はありやなしやと、そぞろ歩いてみる。

 場所でいえば、浅草橋駅から浅草橋に向かって、橋のすぐ手前を左折する。
 と、道の右側に、小粋な店構えににんきやの看板。店内に入ると「白玉のおいしい季節になりました」と墨書。それならばと白玉あんみつを注文する。ふと前を見ると花柳章太郎の書画による額が。

 そして、この「甘味どころ」の先、左側にお稲荷(いなり)さんが。篠塚稲荷とあり、東京柳橋組合とそれぞれの料亭の名の彫られた玉垣が、かつての柳橋の隆盛をしのばせる。

 いや、もう一つ、篠塚稲荷のすぐ先に、和風建築の料亭・伝丸がある。
 一見さんには少々入りにくそうな構えだが昼間なら定食があり、ちょっとした柳橋気分が味わえる。

→ 両国・柳橋(3) 回向院へ へ

坂崎 重盛 (エッセイスト・題字も)




2003年8月27日付 朝日新聞(東京本社)「マリオン」から
asahi-mullion.comのトップページへ
asahi-mullion.comトップページへ

このホームページ(asahi-mullion.com)についてのご意見や情報提供は
mullion-hp@asahi.com

朝日新聞のマリオン紙面への掲載や問い合わせなどは
郵便番号104-8011 朝日マリオン21−マリオン編集部
(TEL03-5540-7411 FAX03-3545-0525)
Eメールはmullion-ppr@asahi.com

asahi-mullion.comに掲載の記事や情報、写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2004 Asahi Mullion 21. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.