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両国・柳橋(5) 江戸博へ

 両国界隈(かいわい)には資料館・博物館が点在する。
 先に紹介した回向院そばの両国花火資料館、あるいは国技館の中にある相撲博物館

 また、相撲博物館とは別に、吉良邸跡がある本所松坂町公園近くに工藤写真館の相撲写真資料館もある。
 メーカーや老舗の商店が展示している小さな資料館もおもしろい。中には店の脇のショーウインドー一つの“資料館”もあるが、これもまた、下町らしくていいではないですか。

 両国4丁目、桐(きり)たんすメーカー・タナカの桐の博物館。緑1丁目清澄通りに面した喜久や足袋本舗の足袋資料館。横網2丁目蔵前橋東詰近く磯貝べっ甲店のべっ甲資料館などなど、その企業、その店ならではの製品が展示されている。

 なお、これらの博物館、資料館の休館日はかなり不定期なので確認をしてから出向いたほうがよいかもしれない。

 資料館ではないが緑2丁目の墨田区立緑図書館は、隅田川関連の資料が充実している。収蔵書の選択もツボを押さえていて、大図書館にない資料がここにあったりする。

再現されたミニチュアの江戸の町。活気あふれる人々の姿に感嘆の声があがる。備え付けの双眼鏡で眺めると迫力だ 
(写真・横田正大)

 さて、両国界隈の資料館・博物館の総元締めとなれば、やはり江戸東京博物館だろう。
 ここを訪れて最初に度肝を抜かれるのは、常設展示室の江戸時代の日本橋の復元である。木橋の高さ、幅がそのまま橋の半分まで復元されているのである。

 また、企画展や催事もだが、館内のミュージアムショップをのぞいて見るのも楽しい。
 とくに企画展の図録など一般書籍と比べて資料性が高いわりに、値段が安く、あれも、これもと欲しくなる。

 以上、紹介した資料館、博物館のすべてが、JR両国駅から歩いて10分以内のところにある。
 といっても、これを一度にすべて巡り歩こうとしたらかなりの散歩力がいる。

坂崎 重盛 (エッセイスト・題字も)




2003年9月17日付 朝日新聞(東京本社)「マリオン」から
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