asahi-mullion.comのロゴ
トップページ  ■サイトマップ  ■検索ページ

バックナンバー
浅草寺周辺(2) 浅草神社へ

 弁天山の鐘は、有名な芭蕉の句「花の雲鐘は上野か浅草か」の、浅草の鐘。つまり、上野の山とならぶ「時の鐘」の一つ。
 今年の大みそかもまた、浅草の芸者衆が百八つの鐘をつきにくるのだろうか。

 ここ弁天山周辺には足を止めたい石碑もある。芭蕉の「くわんをんのいらか見やりつ花の雲」の句碑、「ノンキ節」で名を売った反骨の演歌師・添田唖蝉坊(そえだ・あぜんぼう)の碑、あるいは、明治100年を記念して建てられた都々逸塚、といった碑もある。
 いずれも大衆文化の詩歌碑であるところが、いかにも浅草らしい。

 そういえば「弁天山」をその名に冠した店がある。すし通で知らぬ人なき、弁天山美家古寿司(みやこずし)である。弁天山の裏手、馬道通りに面している。
ある年の暮れ、この店で、「今年もお世話になりました」とポチ袋(小さな祝儀袋)をさりげなく渡す客と、それを受ける店の人の姿が、なんとも、舞台の一場面のようにきまっていたのを覚えている。

 弁天山の先、濡(ぬ)れ仏とも呼ばれる二尊仏を左に見て、そのまま進むと、観音堂の右手に鳥居が見える。
 三社様、つまり浅草神社の境内である。

浅草神社は、観光客でにぎわう観音様のすぐ横。人影もまばらな境内 
(写真・横田正大)

 浅草寺による解説書によれば、「三社」の名は、「三社権現社」に由来し、これは土師真仲知(はじの・まつち)と桧前(ひのくまの)浜成(はまなり)・竹成(たけなり)兄弟の3人が投網で隅田川からご本尊をすくい上げたことにちなむという。
 3人をまつるから三社というわけである。また、浅草神社の紋が三つの網であるのも納得がゆく。

 浅草といえば金龍山浅草寺が一般的だが、この浅草神社を信仰する人もいる。
 静かな境内を参詣(さんけい)する人の姿は、浅草寺詣でとはまた別の雰囲気がある。

 浅草神社、三社様が活気を呈するのは、なんといっても、5月中旬の三社祭。
 この時期になると仕事がまるで手につかない浅草っ子を何人か知っている。

→ 浅草寺周辺(3) 観音堂表裏 へ

坂崎 重盛 (エッセイスト・題字も)




2003年12月17日付 朝日新聞(東京本社)「マリオン」から
asahi-mullion.comのトップページへ
asahi-mullion.comトップページへ

このホームページ(asahi-mullion.com)についてのご意見や情報提供は
mullion-hp@asahi.com

朝日新聞のマリオン紙面への掲載や問い合わせなどは
郵便番号104-8011 朝日マリオン21−マリオン編集部
(TEL03-5540-7411 FAX03-3545-0525)
Eメールはmullion-ppr@asahi.com

asahi-mullion.comに掲載の記事や情報、写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2004 Asahi Mullion 21. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.