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銀座(3) 5〜2丁目へ

 これまで、銀座を8丁目から散歩してきたが、取り上げたのは、西銀座通り(外堀通り)から中央通り(銀座通り)の間のエリアに限っている。
 銀座コリドー通り界隈(かいわい)や中央通り松坂屋や松屋側は別の機会に歩いてみたいと思っている。

 さて、銀座5丁目、ここにも立ち寄りたい店が何軒もある。並木通りに面したドイツビアレストランのケテル、また、その裏手にあたる路地の奥のルパン、いずれも文士、芸術家たちに愛されてきた老舗である。

 表通りに出れば、日本の地価のニュースのときには必ず登場する文房四宝と香の鳩居堂、そして今は、すでに、レトロな雰囲気をかもし出しつつある三愛の円筒ビル。
 信号を渡れば、こちらはもう本格的な建築遺産である銀座のシンボル、和光とその並びの教文館。いずれも昭和初期の建築。

 あるイタリアレストランの席に座ると、和光の時計塔の威容が目の前に見える。「灯台」にちなむ店名なので、興味がある人は探索されたし。
 なお和光の時計塔は真南を向いている由。私は、和光のグルメ&ケーキショップの、カヌレ・ド・ボルドーが好物なのだが、これもまた、すぐに売り切れてしまう。

 いや、そんなシャレた洋菓子でなくても、銀座に来たらやはりのぞいてみたくなる店がある。あんぱんの木村家である。
 焼きたてのいろんな種類の菓子パンを見ると幸せな気分になり、いつも余分に買いすぎてしまう。

真っ赤なソフトが帽子の楽しさを訴えていた。おしゃれな男性にお似合いと店長さん 
(写真・横田正大)

 表通りの2丁目には、これぞ銀座ならではの店、トラヤ帽子店がある。昨今、一流のデパートの高級紳士物のコーナーですら、これはといった帽子が見当たらないことが多いが、さすがトラヤへ行けば、ボルサリーノをはじめ、世界の一級品がそろっている。

 もうすぐ、ウインドーに春の帽子が並ぶだろう。

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坂崎 重盛 (エッセイスト・題字も)




2004年1月28日付 朝日新聞(東京本社)「マリオン」から
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