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佃島(2) 住吉神社へ

 月島駅を出て佃小橋を渡って、右の横丁を行けば住吉神社へ至る。その手前、大栄マンションの1階に銭湯、日の出湯がある。
 その先が、船宿の佃折本。いずれも裏は佃堀。この佃堀は住吉神社の裏から住吉水門をくぐって隅田川に続いている。

 さて、住吉神社、平日の午後なので人はいないだろうと思っていたが、ちらほら散歩する人の姿がある。カメラやケータイをのぞきこんでいるので、佃島の人ではないだろう。佃島が、下町の観光スポットであることがわかる。

 住吉神社の社殿をのぞくと金文字で住吉神社の文字が光る。社殿の左奥が時代がかったれんがの蔵。蔵のすぐ下には佃堀がたっぷりと水をたたえている。
 住吉神社は、よく知られるように摂津国住吉神社(大阪市住吉区)の分社。佃島の名も、摂津国佃村に由来する。
 3年に一度の住吉神社の大祭は佃島全体が祭り一色となる。

 神社の境内にはユキヤナギの白い花が風になびき、モクレンの木には、あれはムクドリだろうか、鳥が花の近くで数羽たわむれている。また、足元の縁石のまわりを見ればスミレの花が風にゆれている。

銅で葺(ふ)かれた一之鳥居、見事な緑青に目を見張った。通りの奥に社がある 
(写真・横田正大)

   静かな境内でゆったりした気持ちになっているので視線もゆっくりと動く。染め付けの陶製による扁額(へんがく)や、五世川柳・水谷緑亭の句碑や東洲斎写楽終焉(しゅうえん)の地と伝えられる碑などをながめる。

 住吉神社から隅田川側をながめると青銅色した鳥居が見える。隅田川に接するように立つ「一之鳥居」である。かつては、隅田川の波がこの鳥居のすぐ下を洗っていたのではないだろうか。

 その鳥居の右を行けば住吉小橋。柳の植わる堀の先は佃公園。白い和風の灯台は、昔、人足寄場があったという石川島灯台である。
 池波正太郎の「鬼平犯科帳」、ゆかりの地でもある。

→ 佃島(3) 佃煮の老舗 へ

坂崎 重盛 (エッセイスト・題字も)




2004年3月24日付 朝日新聞(東京本社)「マリオン」から
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