asahi-mullion.comのロゴ
トップページ  ■サイトマップ  ■検索ページ

バックナンバー
お茶の水(4) 茗渓通り

 東京、思わぬところに古町が残っていることがある。お茶の水、茗渓(めいけい)通りがその一つ。JR御茶ノ水の駅前、聖橋(ひじりばし)口からお茶の水橋に至る、線路と平行に走る商店街。

 この街並み、駅のすぐ近くで、新しいビルやゲームセンターなどがあるので、一見、どこにでもある商店街のように思われるかもしれないが、実はかなり魅力的な通りなのだ。
 1軒の古いバー、喫茶店、あるいは古書店の存在がその界隈(かいわい)の雰囲気を生みだすことはよくあるが、ここ茗渓通りには、その要素がすべて残っている。

 駅、聖橋口の改札を出てすぐ右手に、夕方5時過ぎには、すでにカウンターでグラスを傾けている客の姿が見える、バー・まいまいつぶろ
 今の季節、もちろんまだ外は明るい。バーのドアは開け放されているので、暗いバーの中からは、道行く人の姿がよく見える。
 店もかなり年季が入っているが、ここのマスターもかなりのもの。「こんな早くから酒を飲みにくることはないじゃないの」みたいな表情をしながらの接客がオモシロイ。
 意外(?)にも紳士然とした常連客が多い。

 並びの喫茶の老舗、穂高は現在、改装中。店内は、かつての雰囲気をそのまま残すそうだ。

 穂高の3軒先が古書の三進堂書店。中央線沿線の古書店には、この店のように山岳関係の本が充実している店が多い。
 これは中央線の行く先に日本アルプスを控えているためだろう。そういえば、喫茶店、穂高という名も、山岳系である。

お堀にネオンを映して端正な姿が美しい聖橋。橋の向こうに地下鉄、右は中央線が走る 
(写真・横田正大)

 その数軒先の居酒屋、茜草壺(あかねつぼ)、酒の肴(さかな)のメーンが干物というのがユニーク。カウンターからは、下の駅のホームが見える。
 茗渓通り散策の後、その御茶ノ水の駅のホームに立って、谷の右手を見ると、闇の中に、ライトアップされた聖橋が浮かぶ。

→ 駿河台(1) ニコライ堂へ へ

坂崎 重盛 (エッセイスト・題字も)




2004年5月26日付 朝日新聞(東京本社)「マリオン」から

asahi-mullion.comトップページへ
サイトマップ | 会社案内 | 広告募集 | 問い合わせ | プライバシー | 著作権 | リンク
asahi-mullion.comに掲載の記事や情報、写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2004 Asahi Mullion 21. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.