冷蔵庫に常備してあるものの一つに「パルミジャーノ・レッジャーノ」がある。ご存じ、日本ではパルメザンチーズの名前で知られるイタリアの固いチーズ。
本家パルミジャーノは、ほかのチーズより熟成期間が長いのでうまみが強く、保存性が高い。脂肪分が低いというのも魅力的で、ワインのお供にそのままかじったり、朝食につまんだりしている。
このチーズは世界各国でイミテーションが作られてきた。伝統的なチーズを守るため、本物には厳重な検査が行われる。三つの等級に分けられ、表皮には焼き印が押されるようになった。
信頼のできる店のものを買いたいので、私はチーズ専門店「フェルミエ」のものを入手する。チーズをこよなく愛する人間によって管理されているため、スーパーマーケットに行ったついでに買うチーズとは味が違う。フランスではチーズ屋さんはフロマジュリと呼ばれ、スーパーではなくこちらでチーズを買うことにこだわる人が多い。
料理にもよく使う。牛肉のカルパッチョにルッコラとこのチーズの薄切りを散らし、オリーブオイルをかけるだけでおいしいイタリア風の前菜のできあがり。ソースなしの理由は、このチーズのうまみだけで十分だから。トマトソースやミートソースなどのパスタ料理にもすりおろしてふりかける。
あると便利なので固まりで買ってきて、清潔なまな板とナイフで一口大に切り、密閉容器に入れて冷蔵庫に置いておくといい。
そして、まずは料理に使う前に、ワインと一緒にかじって、その味わいの深さと口に広がる余韻を楽しんでみてほしい。
(料理研究家:井上絵美 撮影:中本 徳豊)