人生の大きな楽しみのひとつにお酒がある。いろいろな種類があるが、専門が西洋料理なので、ワインを飲むことが多い。
来客が多いので、ワインの種類によってグラスをそろえているが、なんといってもワイングラスは割れやすい。テーブルセッティングの最後に置くようにしていても、ほかの皿などよりはるかに気を遣うし、洗うときにも気が抜けない。かといって、ワインはグラスによってもおいしさの違いが出るので、簡易なものは使いたくないのだ。
そこで愛用しているのが、この脚がないグラス。去年、ワイングラスで有名なリーデル社から出たものだが、洗うときも楽だし、破損が少なく収納も簡単。ブドウ品種によって微妙に形の違うものが6種類あるが、家庭で何種ものグラスをそろえるのは現実的ではない。
どれか一つを購入するならば、白ワインのリースリングとソーヴィニヨン・ブラン用に作られたものがお薦め。私はこれで赤ワインも楽しんでいる。さらに、大吟醸をこのグラスで飲んでみたら、ワインのように華やかな香りを感じた。日本酒を飲むとき、器の形の違いにこだわる人はあまりいないが試してみるとよく分かるはずだ。
スタイリッシュで機能的なので、すっかりほれ込んでしまった。春から始める予定のレストランで使おうと考えている。
レストランは私の友人たちの強い要望で、料理教室のスペースを金曜日の夜だけ利用できるようにするもの。テーブルセッティングにも料理にも、何かひとひねりしたいと考えている。そこにこのグラスもマッチするだろう。
(料理研究家:井上絵美 撮影:中本 徳豊)