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2004.12.2(木)更新  美術館 素朴なクエスチョン

 

     
 
    日本の「展覧会」はいつから?

 

絵馬が飾られた「額堂」=成田山新勝寺で

 
    書画会・絵馬堂がはしり
  
 日本でも展覧会にあたるものは昔からありました。

 中世の「座敷飾り」がまずそれにあたります。足利将軍の義満・義政らが集めた中国の一級の美術工芸品を「唐物具足(からものぐそく)」といいます。彼らは天皇や公家らを招いたとき「会所」と呼ばれる御殿に、牧谿(もっけい)、馬遠、梁楷(りょうかい)ら宋・元の画家の絵や青磁、白磁、天目茶わんなどの「唐物具足」を陳列して見せ、客は「極楽荘厳もかくの如くか」と感嘆したといいます。

 江戸時代の寛政年間、京都や江戸の文人たちが、書画を寺院や料亭に持ち寄り展示した「書画会」も展覧会の一種でしょう。京都では皆川淇園の肝いりで1792(寛政4)年から7年間、春秋2回大規模なものが催され、江戸でも谷文晁の呼びかけで書画会が開かれました。京画壇の鬼才長沢蘆雪(ろせつ)は、1798(寛政10)年の東山書画会に、一寸(3・3センチ)四方の画面に五百羅漢とその眷属(けんぞく)をあまさず描き込んだ作品を出品、みんなをアッと驚かせました。

 誰でも鑑賞できる「常設展」のはしりは、神社や寺に奉納された絵馬を掲げた「絵馬堂」です。戦国・桃山から江戸時代にかけ、大型の絵馬が、参拝者らに公開されていました。建物は、吹きさらしが多く、絵馬の保存には向きませんが、庶民にも開かれた当時の「ギャラリー」だったのです。

(ガイド 東大・多摩美大名誉教授 辻惟雄)

   =朝日新聞 夕刊 2004年12月2日 掲載=

 

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