美術館とは、博物館の扱う分野のうち、ごく限られた「美術」を独立させた施設。博物館には大別して歴史系と自然史系があり、歴史の中には考古や経済、政治、文化があって、その文化史の一部を独立させたのが美術館です。
学生時代の日本史の教科書を思い出してください。縄文時代から現代までの政治や経済、法制史の叙述の時代の節目ごとに○○時代の文化という欄が設けられ、絵や彫刻の写真が出ていたでしょう。そこを扱うのが美術館です。東京国立博物館は本来日本の歴史全体を扱う博物館のはずですが、歴史を語る文書史料より美術品の方が展示映えするせいか、美術博物館の傾向を強めています。
一方、自然史系の博物館には上野動物園や水族館、植物園まで含まれるのはご存じですか。これらも立派な博物館で、学芸員試験の専門分野にはこれらに対応したものがあります。さらに、博物館には目黒寄生虫館、明治大学刑事博物館といったマニアックなものや消防博物館、凧(たこ)の博物館などの変わり種もあります。
美術館の方も時代によって細分化し、明治以降を扱う近代美術館、戦後から現在を扱う現代美術館が誕生しています。さらに写真美術館、漫画美術館などジャンル別にも分派を続けているようです。
(ガイド 板橋区立美術館学芸係長 安村敏信)