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題字・イラスト 井沢洋二
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僕のゴールデンウイークの旅行といえば、角川大映撮影所でのセット収録が長引いて調布駅前のビジネスホテルに1泊したぐらいのものだ。そんな僕の1泊旅行も、ゴールデンウイーク期間中の国内旅行客約6500万人の1人にカウントされたのだろうか。
期間中の人出は、全国第2位が″O前さくらまつりの約214万人。第4位には、♀p館の桜まつりもランクインしている。
東京の桜並木はすっかり若葉が生え揃(そろ)い、緑のトンネルとなっているが、みちのく東北路、そして北海道はゴールデンウイークに桜の盛りを迎える。
3月中旬に、南国・宮崎、高知に上陸した桜前線は、ほぼ自転車が走るスピードで、ゆっくりと日本列島を北上する。
ウエザーキャスターの僕は、3月の第1水曜日に気象庁が発表する、桜の開花予想の第1回から、5月中旬に根室で花開くまで、全国津々浦々の桜の花に注目する。
僕が「桜の花を見よう」と呼びかけなくても、テレビで桜が話題にのぼれば、木枯し吹き荒(すさ)ぶ真冬の街角でも、多くの人が堅いつぼみの桜の枝を見上げる。
実は、見上げた桜の向こうに何があるかが、僕にとっては問題なのだ。
桜の向こうには、空がある。番組で、逐一、桜前線をリポートするのは、空を見てもらいたいからなのだ。
天気予報に関心をもってもらうには、空に興味をもってもらわねば。そのためには、まず空を見上げてもらわなければならない。
その昔、バードウオッチングなるものが流行した頃、「鳥を見よう」と呼びかける人に、僕は冷ややかな視線を送っていた。
朝もやたちこめる早朝の河原。鳥さんの邪魔にならぬよう、薮(やぶ)を掻(か)き分け遠くから鳥を眺めることに、何の楽しみがある。「鳥は観(み)るものではなく、焼き鳥だろ!」と僕は思った。
そんな僕が、「空を見よう」といくら叫んでも、そうそう人は相手にしてくれない。そこで空を桜の話題にすり替える。
北国の桜はこれからが見頃。桜を見よう、そして空を見よう。