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題字・イラスト 井沢洋二
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6月15日、北陸地方と東北北部が梅雨入りし、日本列島は鬱陶(うっとう)しい雨の季節を迎えた。
僕の梅雨入りは皆より1週間遅かった。北米大陸の中西部大平原(グレート・プレーンズ)のド真ん中、オクラホマシティーへロケに出かけていたから。
オクラホマの最高気温は100度。この時期としては、53年ぶりのこと。
アメリカは気温の単位に華氏(かし)を使ったり、距離の単位にマイルを使ったり、どうしてこうも我儘(わがまま)なのだろう。いちいち摂氏(せっし)やキロに換算しなければならず、めんどう臭いったらありはしない。100度は、摂氏38度に相当する。
雲が低く垂れ込めた梅雨空と比べれば、ギラギラ輝く太陽は贅沢(ぜいたく)かもしれない。しかし、直射日光を受けた肌は、見る間にジリジリ焦げてゆく。木陰に入っても吹き抜ける風はドライヤーの熱風のよう。頬(ほお)を撫(な)でられれば体温が上がる。それでもドッと汗が吹き出さないのは、空気がよほど乾いているからに違いない。これはジェット気流が蛇行してアメリカ中西部は高気圧域であるため。
平年ならばジェット気流はグレート・プレーンズに流れ込み、メキシコ湾からの暖かく湿った南風とぶつかってトルネード(竜巻)を引き起こす。トルネードは、北米大陸の夏の到来を告げる風物詩ともいえよう。
同様に、日本を含む東アジアの梅雨にも、このジェット気流が大きくかかわる。
春の日差しに熱せられたユーラシア大陸は、海洋から湿った空気を引き寄せる。これがアジアの夏のモンスーン(季節風)。モンスーンは北上し、やがてヒマラヤ山脈に行く手を阻まれ、ジェット気流に乗って東アジアへ流れ込む。
日本列島を含む東アジアの空に横たわる数千キロの雲の帯には、ジェット気流が大きくかかわっているわけだ。
遥(はる)か上空を西から東へと駆け抜ける大気の流れは、東アジアに梅雨をもたらし、アメリカ大陸にはトルネードを生む。どちらも北半球が春から夏へと向かっていく証し。梅雨も大自然の営みと思えば♂Jまた楽しでしょ。