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題字・イラスト 井沢洋二
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灰色の梅雨空の下、小雨煙るモノトーンな街角に、鮮やかな色彩を放つアジサイの花は一段と艶(つや)やかに見える。
お花畑、花屋、花束……。おおよそ花なんてものに興味のなかった僕が、大真面目(まじめ)に花の美しさを口にするようになったのも、気象予報士の効用の一つに違いない。
アジサイ前線は、6月初旬にかけて関東平野を北上し、8月中旬に北海道の宗谷岬に達する。
ウエザーキャスターの僕は、街で綺麗(きれい)なアジサイの花を見つければハンディービデオに収め、視聴者に紹介する。
土壌の酸性度が高ければ青い花。アルカリ度が高ければピンクの花が咲く。花に見えるのは<Kク片で、本当の花は真ん中の$^花と呼ばれる7ミリほどのもの。アジサイの花にも詳しくなった。
アジサイに付き物といえば、デンデンムシ ムシ カタツムリと相場は決まっている。
学術名<}イマイは、海にいる貝の仲間。世界中で約1万1千種のうち、日本産は約700種。夜行性だが、雨が降って湿度が高いと昼間も活動するというから、奴等(やつら)にとっては今がベストシーズンなのだろう。気温が約10度以下になると冬眠する。
カタツムリだって少しは天気予報に役に立つ。「樹上で動くと雨の兆し」。「木の上の方に登ると雨」。しかし、「鳴けば雨」とは本当なのだろうか。カタツムリの鳴き声なんて聞いたことがない。梅雨時に鳴くのは、カエルと相場が決まっている。
カエルは世界におおよそ4千種以上。日本には38種類いて、そのうち関東には13種類のカエルがいるそうだ。
ちなみに、ウチの家の前の排水溝を住処(すみか)にしていて、子供の僕が引っぱり出して遊んだイボガエルは、ツチガエルのことらしい。
どうです。今どきの天気予報は知識の泉なのです。
<Pロッ ケロッ ケロッケロ
調子に乗った僕は、カメラに向かって鳴き真似(まね)をする。
「そんな、ふざけたカエルはいない」
すぐさま、安藤優子さんに睨まれた。