「偉大な」竹が生む低音
インドネシア・バリ島西部に育つ太さ20センチにもなる竹で作られる「ジェゴグ」。
バリ・ガムランに使われる楽器のなかでも最大のものだ。その名は「深い、偉大な」を語源とする。1年目の竹を切り出し、やはり1年かけて乾燥させて、最も適したところだけを使う。底を残して節を抜き、客席側の下半分を削って響きを調節する。装飾を施された木の枠組みにつるされた8本の竹筒は長いもので4メートル。2人の奏者が上に乗り、2キロほどもあるゴムのバチでたたく巨大な「木琴」だ。ジェゴグを筆頭に、より小さな十数台の竹製打楽器との合奏が基本。メロディーの底で、ジェゴグの柔らかくのびのある低音がうねりとなって耳と肌に響く。
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原型は古くからバリに伝わる竹製楽器「ティンクリック」。そこから20世紀初頭に発明された新しい楽器だ。楽譜はなく、旋律やリズムを複数の奏者で分割・分担し、村落共同体の祭り、催事の時楽しむ演奏として受け継がれていた。しかし40年代後半の独立戦争の際、素材の竹が槍(やり)などの武器になるという理由で演奏が禁止され、約30年もの間忘れ去られていた。
◆スアール・アグン 公演とCD
8月6日(金)午後7時、東京都港区赤坂1丁目のサントリーホール(六本木一丁目駅)。今年の全国ツアー最終公演。日本公演初のフル編成32人による演奏。S6000円〜B4000円。CD「バンブー・トランス」はスアール・アグンのオリジナル曲、ムバルンなど6曲を収録。2520円。問い合わせはカンバセーション(TEL03・5280・9996)。
◆「燦然と神秘のガムラン」(写真)
バリ島プリアタン村のガムラン・グループ「ヤマ・サリ」の、近代ガムラン「ゴン・クビャール」6曲を収録。1995円。
上記CDを5人にプレゼントします。
応募は8月5日まで。

提供
 カルタコム
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◆劇団四季「南十字星」
9月12日(日)から、東京都港区海岸1丁目の四季劇場「秋」(浜松町駅)。浅利慶太企画・台本・演出、三木たかし作曲、芝清道ら出演。太平洋戦争下、独立に揺れるインドネシアを舞台にした学徒出陣兵の物語。S1万500円〜C3150円(8月14日(土)発売)。問い合わせは東京公演本部(TEL03・5776・6730)。
◆モダンアジアフェア
8月11日(水)〜16日(月)(16日は6時まで)、伊勢丹新宿店本館6階催物場(新宿駅、TEL03・3352・1111)。アジア雑貨などを販売。11日(水)〜13日(金)、11時、2時、5時、ジャワ島西部スンダ地方の宮廷音楽「ガムラン・ドゥグン」の演奏。日本人奏者の「パラグナ・グループ」出演。
◆音工場HANEDA
東京都大田区大森南1丁目(大森駅からバス、TEL03・3745・6460)。初心者向け定期講座。バリ・ガムラン=9月14日〜11月2日の(火)、午後7時〜9時。ジャワ・ガムラン=毎週(土)午後4時〜6時、随時募集。2万円(別途入会金5000円)。1日体験講座も(要問い合わせ)。
◆ジュンバタンメラ新宿店
東京・西新宿の新宿アイランドタワー、アイランドパティオ地下1階、スパイスロード(西新宿駅、TEL03・5323・4214)。バリ島の工芸品で飾られた店内で毎月2回、ジャワのガムランとダンスのミニライブを開催。唐辛子の辛いタレの焼き鳥「サテ・タンブリナス」(2本500円)、ゆで野菜のピーナツソースがけサラダ「ガドガド」(750円)など=写真。
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幻の楽器を復興し人気に
スアール・アグン
その音楽を復興させたのが「神の光」を意味するガムラン楽団「スアール・アグン」を率いるイ・クトゥ・スウェントラ(55)である。
インドネシア国立芸術大で舞踏を専攻、バリ・ダンスやガムランを紹介するため様々な国を訪れた。日本やフィリピンで見た竹の楽器が、断絶された「竹のガムラン」へと向かわせた。
ヨーロッパ公演の際に訪れたかつての宗主国オランダの博物館で、演奏の様子と音を納めた30年代のフィルムを見つけた。10年をかけて現在のジェゴグをつくりあげ、ジェゴグを中心にした2編成での音楽のぶつけ合い「ムバルン」で、バリでもトップクラスの人気楽団になった。
刻々と状態を変える竹の楽器はメンテナンスが難しい。傷んだパーツは演奏の度に交換する。会場ごとに竹を削ってチューニングも必要だ。また、長さ20メートルの竹から5メートルの筒1本しかとれない。膨大な量の竹が必要だ。
スアール・アグンは楽しむことを大切にする。音楽は二つ目の食べ物だ。演奏中も笑みがこぼれる。体を左右に揺すり、リズムにのる。ジェゴグも揺れる。忘れられていた竹の音楽を掘り起こし、慈しむ。ヒンドゥーの神々の力を借り、バリの自然のリズムにのせて、風と大地の音楽を奏で続ける。
エール 音楽の格闘技
俳優・原田龍二さん
音楽の格闘技と呼ばれるジェゴグ。その演奏は熱気に満ちあふれ、肉体を駆使した神聖な奉納音楽です。僕はその格闘技、ムバルンに参加したわけですが、バリ滞在中、ほとんど通訳を介さず、心のコミュニケーションにもチャレンジしました。バリは神の住む島などと形容されますが、バリ人の心の内にこそ神が存在し、その光のようなあたたかさに全身全霊で触れたような気がします。
これまでのコラム
●二胡(中国) 賈 鵬芳(ジャー・パンファン)
●タブラ(インド) 吉見 征樹
●バグパイプ(イギリス) 山根 篤
●ケーナ(ペルー) 田中 健
●ジェンベ(マリ) 池田 正博
●馬頭琴(モンゴル) チ・ブルグット
●ツィンバロム(ハンガリー) 斉藤 浩
●古筝(中国) 伍芳(ウー・ファン)
●ウクレレ(米国) 高木ブー
●津軽三味線(日本) 上妻宏光
●アルプホルン(スイス) 玉川アルプホルンクラブ
●アルパ(パラグアイ) 上松 美香
●ディジュリ ドゥ(オーストラリア) 哲J
●ビリンバウ(ブラジル) 丸山祐一郎
●ウード(チュニジア) 常味 裕司
●マラカス(キューバ) BON−BON BLANCO
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