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2004.9.9(木)更新  民族楽器の旅
 
民族楽器の旅 バンドネオン (アルゼンチン) 
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タンゴと運命の出会い

 アルゼンチンといえばタンゴ。タンゴといえばバンドネオン。切っても切れない三者だが、実はタンゴもバンドネオンも、アルゼンチン生まれとは言いかねる。

 哀愁を帯びた音色で、アルゼンチンタンゴに欠かせないバンドネオンは、1840年代に携帯用オルガンとしてドイツで作られた。タンゴは、キューバの舞曲が港町ブエノスアイレスへ流れ着いたものが源流。その二つが19世紀末、アルゼンチンで運命の出会いを果たす。情熱や情感が命のタンゴの表現に、そのために生まれてきたようにバンドネオンはうってつけだった。


地図  美しい和音と広い音域。四角い蛇腹を押し引きする演奏スタイルがかわいらしいが、弾きこなすのは少しやっかいだ。牛革と厚紙の蛇腹の両端に、ボタン式の鍵盤が左に33個、右に38個並ぶが、その配列には秩序がない。蛇腹で空気を送りつつボタンを押さえ、内部のリードを振動させて音を出す。蛇腹を押した時と引いた時とでは、同じボタンでも音が変わる。重さは7、8キロもあり、自然と筋肉が付いてしまう。

   *     *   

 移民の国で彼らの生き様を生々しく映してきたバンドネオンの音色は、いまも色あせることがない。


◆小松亮太 ザ・ベスト(写真)
 1998年にデビューして以来初のベスト盤。これまでの6枚のアルバムから、ピアソラ作曲「リベルタンゴ」など、人気曲を中心に収録。このアルバムのために録音したバンドネオン・ソロ「愛は私達より強く」も。14曲。2940円。

上記CDを5人にプレゼントします
応募は9月16日まで

応募

提供
世界の民族音楽CD
カルタコム

◆小松亮太CD、ライブ情報
 初の自作を含め15曲を収録したアルバム「タンゴローグ」を9月23日(木・祝)発売予定。


◆DVD「フォーエバー・タンゴ2」(写真)
 ルイス・ブラボが演出し、ブロードウエーで大成功を収めたタンゴショーの03年来日公演を収録。映像美と濃厚で華麗なダンスが見もの。4935円。問い合わせはジェネオンエンタテインメント(TEL03・5721・9876)。


◆エル・カミニート
 港区東麻布1丁目(赤羽橋駅、TEL03・3582・9380)。
 アルゼンチン料理店。店内に流れるタンゴを聴きながら、伝統的なアルゼンチンの家庭料理が味わえる。メニューは、「アルゼンチン風血のソーセイジ」(写真、1100円)、肉や野菜をパイで包んだ「エンパナーダ」(420円)、煮込み料理、パスタ、マテ茶など。豊富にそろうアルゼンチンワインも自慢。


◆モサリーニタンゴ五重奏団
 新世代のタンゴ界を代表するバンドネオン奏者、ファン・ホセ・モサリーニ率いるタンゴ五重奏団の来日公演。12月2日(木)午後7時、東京オペラシティ・コンサートホール(初台駅)。A6500円、B5500円(9月10日(金)から前売り開始)。
 12月3日(金)午後7時、王子ホール(銀座駅)。全席指定7000円。問い合わせはカンバセーション(TEL03・5280・9996)。

小松亮太

タンゴ界の若き立役者
小松 亮太(30)

奏  ユニット「ザ・タンギスツ」を率いて、年間約100公演をこなす。若い世代にバンドネオンを浸透させた立役者の一人だ。

 父はギタリスト、母はピアニストというタンゴミュージシャン一家に生まれ、バンドネオンに触れたのは14歳の時。両親が奏者を育てようとバンドネオンを購入したが、弾き手が見つからず放っておいた。それに興味を持ち、音色に夢中になった。しかし、タンゴ人気がさほどでもない日本では、バンドネオンの資料などほとんど手に入らない。知り合いのタンゴマニアに頼んでレコードを録音し、メロディーを必死でまねた。

 その頃に苦労して覚えたレパートリーを、03年のアルゼンチン公演で披露した。知らずに集めていた、忘れられた名曲の数々に、本場の聴衆が熱狂してくれた。競争相手のない日本での環境に「そんなに甘い世界でいいのか」と迷っていた気持ちが少し楽になった。

 からいものはからく、甘いものは思いっきり甘く弾くのがアルゼンチンタンゴの世界。バンドネオンは「楽しげ、涼しげというよりは暗さ、重さ。悲しい音や怒っている音が過剰なほど出てしまう。情感がダイレクトに表れるところが、バンドネオンの魅力であり怖いところです」。


エール 魂が奏でる音

バイオリニスト・川井郁子さん  私にとって「バンドネオン」といえば、ピアソラ。彼が弾くバンドネオンを初めて聴いたとき、それまでのタンゴのイメージを一新するほどの衝撃を感じました。魂から発する情熱的で切ない研ぎすまされた音が、鋭角的に立体的に、ものすごい迫力で迫ってきた。「ここまで泣かせる音楽があったのか」と思いました。型破りなのに、どの音にも必然性がある。だから、彼の音楽を聴くときは、自分にエネルギーがある時に、全身全霊をかたむけて立ち向かいます。
 これまでのコラム
 
●二胡(中国) 賈 鵬芳(ジャー・パンファン)
 ●タブラ(インド) 吉見 征樹
 ●バグパイプ(イギリス) 山根 篤
 ●ケーナ(ペルー) 田中 健
 ●ジェンベ(マリ) 池田 正博
 ●馬頭琴(モンゴル) チ・ブルグット
 ●ツィンバロム(ハンガリー) 斉藤 浩
 ●古筝(中国) 伍芳(ウー・ファン)
 ●ウクレレ(米国) 高木ブー
 ●津軽三味線(日本) 上妻宏光
 ●アルプホルン(スイス) 玉川アルプホルンクラブ
 ●アルパ(パラグアイ) 上松 美香
 ●ディジュリ ドゥ(オーストラリア) 哲J
 ●ビリンバウ(ブラジル) 丸山祐一郎
 ●ウード(チュニジア) 常味 裕司
 ●マラカス(キューバ) BON−BON BLANCO
 ●ジェゴグ(インドネシア) スアール・アグン
 ●チャング(朝鮮半島) 康明洙
 ●スチールドラム(トリニダードトバゴ) カリビアン・マジック・スティール・ドラム・オーケストラ
 ●カンテレ(フィンランド) はざた雅子
 ●マリンバ(グアテマラ) 小竹 満里
(2004年9月9日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
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