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2005.2.17(木)更新  民族楽器の旅
 
民族楽器の旅 カホン(ペルー)
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木箱の中から多彩な音

 「え? これが楽器なの?」。初めて見た人は、おそらく誰もがそう思う。イスか四角い木の箱としか見えない楽器。その名も見た目通り、スペイン語で「箱」という意味だ。  
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 19世紀、アフリカから中南米に渡った黒人たちが、唯一の楽しみとして楽器の代わりに積み荷の箱をたたいたのが始まりだといわれる。

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地図

 高さ50センチほどの木の箱の楽器で、その上に腰掛け、箱の前面や側面を手のひらでたたいて音を出す。箱の中は空洞で、側面に空いたリンゴの大きさ程の穴から空気が抜ける。シンプルな構造だが音色は多彩で、たたく位置によって高低さまざまな音が出る。また、板を止めるネジの数、穴の位置によっても全く雰囲気の違う音色になるので、プロの演奏家は楽器の開発に余念がない。

 カホンといえばスペインを想像する人がいる。それは、フラメンコの舞台で使われた場面を目にしたからだろう。実際は、フラメンコギターの巨匠パコ・デ・ルシアがチリを訪れたときに、その音色とリズムに魅了され、演奏に取り入れるようになったのが始まりだという。


◆吉田兄弟「ムーブ」(写真)
 伝統に現代の感覚を調和させることで人気の津軽三味線デュオが、00年に発売したセカンドアルバム。カホン奏者・金井秀正とのコラボレーションが聴きどころ。全8曲。3000円(ビクターエンタテインメント)。

上記CDを5人にプレゼントします
応募は2月24日まで

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世界の民族音楽CD
カルタコム

◆仙道さおり「アルカイック」(写真)
 ピアノの林正樹と組んだユニット「アルカイック」の初アルバム。「巣」は、仙道のカホンソロ。見た目が巣箱みたいだからと名付けられたオリジナル曲。全10曲。2200円。問い合わせはセンドーカンパニー(TEL047・344・8729)。


◆フラメンコ映画「ジターノ」
 フラメンコ界のスター、ホアキン・コルテス主演。ファミリーの抗争に巻き込まれ、愛と報復のはざまで苦悩する男の姿を描いたドラマ。日本でも公開され、広くカホンが知られるきっかけとなった。00年、スペイン・独。DVD=写真=が3月23日(水)に発売。2940円(コロムビアME)。
 オリジナルサウンドトラックも発売中。全18曲。2520円(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル)。


◆TOPS BAR2
 東京・新宿(新宿駅、TEL03・3354・6960)。ミュージックチャージ無料のバー。カクテルやウイスキーと一緒に、ピザやソーセージの軽食が楽しめる。毎週(土)(日)の夜(2月は18日(金)、24日(木)、25日(金)も)、ジャズの生演奏がある。スケジュールはホームページ(http://r.gnavi.co.jp/g695103/)で。
 2月18日、午後8時15分、9時半、10時40分から約40分間、仙道と林のユニット「アルカイック」のライブ。


◆「Decora(デコラ)43」
 北海道・旭川でカホンを制作しているアトリエリブラ(TEL0166・51・3352、http://decora43.com)のサイト。仙道をはじめ、ヤヒロトモヒロら多くのプロ演奏家が、ここのカホンを使用。一般への販売も。48×31×30センチのカホンで2万6250円など。東京都台東区西浅草1丁目のコマキ楽器(TEL03・3842・6042)でも販売。

ドゥドゥ・ニジャエ・ローズ

女性らしさを意識して
仙道さおり(29)

奏  ドラム、コンガ、ブラジル系の打楽器まで、中学生の頃から打楽器と呼ばれるものにはほとんど挑戦してきた女性パーカッションプレーヤー。彼女のマイブームが「カホン」だ。

 一番の魅力は、一台でいろいろな音が出せること。ドラムセットが置けないステージでも、カホン1台あればその役割を果たす。内側に8本の弦を張れば、スネアドラムの代わりになる。足にはマラカスをつけてビートを刻み、側面の真ん中を思い切りけることで、「ドーン」と低音を響かせる。  

 前屈みになったり、座ったまま足だけを動かしたり、カホンの演奏は見た目以上に体を酷使する。熱中すると同じ姿勢を1時間以上も続けてしまう。持病の腰痛は悪化し、ギックリ腰には3回も襲われた。

 演奏スタイルに男女の違いはない。「腕相撲でほかの女性に負けたことはない」とはいえ、力では男性に劣る。それが悔しくて「女性の」打楽器奏者という枕ことばを嫌った時期もあった。しかし30歳を前にした今、肩ひじ張らず、「女らしい音」を意識している。多くの演奏家に出会うにつれ、人格のすべてが音に出ることを知ったからだ。だから、ミュージシャンである前に、「一人のすてきな女性でありたい」。仙道さおりの新しい魅力が生まれようとしている。


エール 緊迫感を生む

スペイン舞踊家・小松原庸子さん
 今では、フラメンコのステージでカホンをよく見かけますが、昔はギターと歌だけでした。カホンは強く打ち過ぎると、時として足を踏み鳴らす音や手拍子をかき消してしまうことがありますが、現代のフラメンコには重要な役割があると思います。カホンのトレモロで舞台に緊張感を走らせ、トレモロがピタっと止まった静寂の中に足音が「パーン」と響く。こういった演出ができるのもカホンがあってこそです。

 これまでのコラム
 
●二胡(中国) 賈 鵬芳(ジャー・パンファン)
 ●タブラ(インド) 吉見 征樹
 ●バグパイプ(イギリス) 山根 篤
 ●ケーナ(ペルー) 田中 健
 ●ジェンベ(マリ) 池田 正博
 ●馬頭琴(モンゴル) チ・ブルグット
 ●ツィンバロム(ハンガリー) 斉藤 浩
 ●古筝(中国) 伍芳(ウー・ファン)
 ●ウクレレ(米国) 高木ブー
 ●津軽三味線(日本) 上妻宏光
 ●アルプホルン(スイス) 玉川アルプホルンクラブ
 ●アルパ(パラグアイ) 上松 美香
 ●ディジュリ ドゥ(オーストラリア) 哲J
 ●ビリンバウ(ブラジル) 丸山祐一郎
 ●ウード(チュニジア) 常味 裕司
 ●マラカス(キューバ) BON−BON BLANCO
 ●ジェゴグ(インドネシア) スアール・アグン
 ●チャング(朝鮮半島) 康明洙
 ●スチールドラム(トリニダードトバゴ) カリビアン・マジック・スティール・ドラム・オーケストラ
 ●カンテレ(フィンランド) はざた雅子
 ●マリンバ(グアテマラ) 小竹 満里
 ●バンドネオン (アルゼンチン) 小松 亮太
 ●ドンブラ (カザフスタン) アイティムラティ・トルハリ
 ●尺八 (日本) 金子 朋沐枝
 ●タンバリン (イタリア) アルフィオ・アンティコ
 ●シタール (インド) 若林 忠宏
 ●ハルダンゲルバイオリン(ノルウェー) 山瀬 理桜
 ●ひょうたん笛(中国) 伊藤 悟
 ●オカリナ(イタリア) 宗次郎
 ●中国琵琶(中国) ウェイ・ウォン
 ●ダルブッカ(エジプト) 伊藤 アツ志
 ●バラライカ(ロシア) エフゲニー・ジェリンスキー
 ●三線(日本) よなは 徹
 ●パンフルート(ルーマニア) 野崎ユミカ
 ●カリンバ(タンザニア) ロビン・ロイド
 ●コカリナ(ハンガリー) 黒坂 黒太郎
 ●バンスリ(ネパール) インドラ・グルン
 ●ムックリ(日本) 弟子シギ子
 ●サウン・ガウ(ミャンマー) ウ・テインタン
 ●サバール(セネガル) ドゥドゥ・ニジャエ・ローズ

(2005年2月17日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
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