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2005.2.24(木)更新  民族楽器の旅
 
民族楽器の旅 ティンホイッスル
(アイルランド)
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庶民愛したブリキの調べ

 映画「タイタニック」で、セリーヌ・ディオンの歌う曲が物語を盛り上げていた。この曲で使われた澄んだ高音が美しい笛、それがティンホイッスルだ。    
約30秒、3M
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 タイタニック号の沈没では、大勢のアイルランド移民も犠牲になった。そんなことから映画には、アイルランドの音楽が多く取り入れられている。  

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地図

 「ティン」は英語でブリキのこと。ブリキを筒状に丸め溶接した、単純な構造の縦笛だ。今は溶接しないタイプも増え、アルミや真鍮(しんちゅう)製のものが出てきて、「アイリッシュホイッスル」とか価格の安さから「ペニーホイッスル」と呼ばれることもある。

 キーによって異なるが、長さはほぼ30センチ、穴は六つ。吹けば音は出るが、音に抑揚をつけるには、穴を開閉する手の細かい動作が必要になる。

 その誕生には、小さな村の農場労働者が、貧しさから抜け出そうと、木の笛をまねてブリキで笛を作ったとの説もある。安価なその笛は庶民の間に広まったという。音楽は気軽に「音」を「楽しむ」もの。庶民的なアイルランド民謡には欠かせない、ティンホイッスルらしいエピソードだ。


◆ジョニー・マッデン「ソング オブ ザ アイリッシュ ホイッスル」(写真)
  ティンホイッスルの第一人者と言われるマッデンのソロアルバム。全12曲を収録。マッデンの豊かな音楽性が光る。2344円。問い合わせはグリーンエナジー(TEL03・5464・9374)。

◆ザ・コアーズ「ザ・コアーズ・アンプラグド」(写真)
 全世界での総売り上げが2000万枚ともいわれるアイルランド出身の4兄妹グループ。ティンホイッスルやバイオリンのライブ演奏も。全15曲を収録。2520円。問い合わせはワーナーミュージック・ジャパン(TEL03・6439・8620)。

◆安井敬ライブ
 3月9日(水)午後7時、東京・銀座のアイリッシュパブ「ダフィーズ銀座店」(銀座駅、TEL03・3289・1601)。庄司祐子(ホイッスル)、平野肇(ギター)とともに。ライブチャージ無料。安井のライブ情報はホームページ(http://www.sound.jp/yasui/)で。


◆ホイッスル教室
 東京都立川市曙町2丁目のJR立川駅ビル・ルミネ9階、朝日カルチャーセンター立川(立川駅、TEL042・527・6511)。講師は、ティンホイッスル奏者の安井マリさん。4月期は13日(水)から。第2・4(水)(全6回)、午後7時〜8時半。入会金5250円、受講料1万5120円。見学可。


◆ティンホイッスルを吹こう
 アーリー・ミュージック・プロジェクト(http://www002.upp.so-net.ne.jp/emproject/)。
 ティンホイッスル(写真、1200円から)などの民族楽器を通信販売している。サイト上では、首都圏で開催されるホイッスル教室の情報も紹介。


◆アイリッシュパブ&レストラン「ザ・ラウンドストーン」
 東京都品川区東品川2丁目のシーフォートスクエア2階(天王洲アイル駅、TEL03・5796・2848)。午前11時半〜午後3時、5時〜11時((日)(祝)は3時から、(土)(日)(祝)は10時まで)。直輸入の食材を使ったシェフ自慢の料理=写真は一部=のほか、地ビールやアイリッシュ・サイダー(リンゴ酒)などドリンクも豊富。
 2月27日(日)午後6時、安井参加のライブを開催。3月17日(木)〜21日(月・休)、セントパトリックスデーを記念し、伝統料理2品を半額で。12日(土)、13日(日)休み。

安井 敬

笛の音に心躍らせ
安井 敬(46)

奏  「吹く楽しさにとりつかれて」。クリッとした大きな目にあふれる「好き」という気持ち。ティンホイッスルを語る安井の顔は少年のようだ。

 中学2年の秋、FMラジオで聴いたクラシックに心を奪われた。縦笛が使われていると知り、音楽の授業で使ったリコーダーを引っ張り出した。授業で何となく習うのと、好奇心に突き動かされて吹くのでは楽しさが違った。高校に入ると教室に通い、19歳から約1年、オランダの音楽院に留学した。

 「こんな笛知ってる?」。帰国して数年。プロ奏者となった安井に、リコーダー・デュオの相方、守安功がティンホイッスルとの出会いをくれた。可憐(かれん)な音色と独特の演奏方法。すぐにとりこになった。

 ライブ活動の中心はアイリッシュパブで、主にアイルランドの民謡やダンス音楽を吹く。「民謡は庶民の間で広まったものだからダイレクトに心にしみる」

 最近、アイルランド音楽の浸透とともに、CMやドラマの挿入曲でティンホイッスルが使われるようになった。しかし、笛の名を知っている人はどれほどだろうか、と思う。

 ティンホイッスルの名を広めたいと常々考えるが、使命感で気負うところはない。「ゆっくりしたペースで」。そう思っている。


エール 色気ある楽器

シンガーソングライター・矢井田瞳さん
 以前からアイリッシュミュージックに興味があり、レコーディングでアイルランドを訪れた時にティンホイッスルに出会いました。
 土産物屋でも楽器屋でも手頃な値段で置いてあり、うれしくて全キーの笛を購入したんです。誰にでも吹けそうな気軽さと共に、楽器の持つ表現力や音の艶(つや)に魅了されています。
 その日の湿度や息遣いでも音色が変わる、非常にシンプルで奥の深い色気ある楽器だと思います。

 これまでのコラム
 
●二胡(中国) 賈 鵬芳(ジャー・パンファン)
 ●タブラ(インド) 吉見 征樹
 ●バグパイプ(イギリス) 山根 篤
 ●ケーナ(ペルー) 田中 健
 ●ジェンベ(マリ) 池田 正博
 ●馬頭琴(モンゴル) チ・ブルグット
 ●ツィンバロム(ハンガリー) 斉藤 浩
 ●古筝(中国) 伍芳(ウー・ファン)
 ●ウクレレ(米国) 高木ブー
 ●津軽三味線(日本) 上妻宏光
 ●アルプホルン(スイス) 玉川アルプホルンクラブ
 ●アルパ(パラグアイ) 上松 美香
 ●ディジュリ ドゥ(オーストラリア) 哲J
 ●ビリンバウ(ブラジル) 丸山祐一郎
 ●ウード(チュニジア) 常味 裕司
 ●マラカス(キューバ) BON−BON BLANCO
 ●ジェゴグ(インドネシア) スアール・アグン
 ●チャング(朝鮮半島) 康明洙
 ●スチールドラム(トリニダードトバゴ) カリビアン・マジック・スティール・ドラム・オーケストラ
 ●カンテレ(フィンランド) はざた雅子
 ●マリンバ(グアテマラ) 小竹 満里
 ●バンドネオン (アルゼンチン) 小松 亮太
 ●ドンブラ (カザフスタン) アイティムラティ・トルハリ
 ●尺八 (日本) 金子 朋沐枝
 ●タンバリン (イタリア) アルフィオ・アンティコ
 ●シタール (インド) 若林 忠宏
 ●ハルダンゲルバイオリン(ノルウェー) 山瀬 理桜
 ●ひょうたん笛(中国) 伊藤 悟
 ●オカリナ(イタリア) 宗次郎
 ●中国琵琶(中国) ウェイ・ウォン
 ●ダルブッカ(エジプト) 伊藤 アツ志
 ●バラライカ(ロシア) エフゲニー・ジェリンスキー
 ●三線(日本) よなは 徹
 ●パンフルート(ルーマニア) 野崎ユミカ
 ●カリンバ(タンザニア) ロビン・ロイド
 ●コカリナ(ハンガリー) 黒坂 黒太郎
 ●バンスリ(ネパール) インドラ・グルン
 ●ムックリ(日本) 弟子シギ子
 ●サウン・ガウ(ミャンマー) ウ・テインタン
 ●サバール(セネガル) ドゥドゥ・ニジャエ・ローズ
 ●カホン(ペルー) 仙道さおり

(2005年2月24日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
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