移民の郷愁、山間に伝え
マウンテンダルシマー、ケンタッキーダルシマーとも言われる。その名の通り、米東部のアパラチア山脈の生まれ。バンジョーと並んで親しまれるアメリカの国民的楽器だ。
砂時計のように中央がくびれた胴に、3〜5本の金属弦が伸びる。ひざの上に置き、ピックや指ではじいて弾く。その姿は日本の琴を連想させる。
アパラチア山脈は、英国系、アイルランド系住民が持ち込んだ伝統音楽がカントリー音楽などに発展した地で、「アメリカ・ルーツ音楽」の揺りかごと言われる。その発展を支えた楽器のひとつがアパラチアンダルシマーだ。楽器自体はドイツや北欧の弦楽器が源流とされ、今の形になったのは19世紀半ばごろ。長い間、山間でひっそりと愛されてきた。全米に知れ渡ったのは、1940年代にフォーク歌手のジーン・リッチーが用いたのがきっかけという。
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ダルシマーはラテン語で「甘美な旋律」。甘く、どこかひなびた響きは郷愁を誘う。厳しい山間での生活の中、移民たちが憩いを求めて奏で、遠い先祖の地に思いをはせたのかもしれない。
◆ジーン・リッチー「ballads」(写真)

「アメリカの宝」と言われるアパラチアンダルシマーの第一人者リッチー。英国やアイルランドからアパラチア地方に伝えられたバラッド(物語歌)を収録。ダルシマーでの弾き語りも。全16曲。カルタコム(TEL03・3776・1080、http://www.culta.com/w-music/march-4.html)で買うと2500円。
◆「ハートランド――アパラチアン・アンソロジー」(写真)

現代を代表するチェリストのヨーヨー・マをはじめ、マーク・オコーナー(バイオリン)、エドガー・メイヤー(ベース)らジャンルを超えた名手が共演し、アパラチア地方の音楽を収録。大ヒット曲「アパラチア・ワルツ」を含む全16曲。1680円(ソニー・クラシカル)。
◆よしだよしこ「ここから」(写真)
音楽活動再開を機に制作したアルバム。
よしだの歌とギターを中心に全13曲。3150円。詳細はよしだのホームページ(http://homepage3.nifty.com/lotus/)を参照。
◆よしだよしこ ライブ
3月26日(土)午後7時、東京都杉並区天沼3丁目のポロン亭(荻窪駅、TEL03・3392・2495)。よしだによるギターの弾き語りライブ。アパラチアンダルシマーの演奏も。2500円(1ドリンク付き)。定員約30人。
◆DVD「Songcatcher――歌追い人」(写真)
20世紀初頭のアパラチア地方で、英国やアイルランド系移民が持ち込んだといわれる幻の歌を発見した音楽学者のリリー。歌に込められた移民たちの魂に触れるうちに、自分自身の人生の真実を見つけていく。アパラチアンダルシマーが要所で登場。109分。4935円(松竹ビデオ事業室)。
◆アパラチアンダルシマーを弾こう
オンラインショップの「工房ミネハラ」(http://www.minehara.com/)では、手作り楽器のキットを中心に、約50種類の弦楽器を販売。砂時計型のアパラチアンダルシマー(4弦)は、手作りキットが2万6250円、完成品が5万1450円(配送料別)。専用の教則本や楽譜なども豊富にそろう。
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