asahi-mullion.comのロゴ
■トップページ ■サイトマップ ■検索ページ ■バックナンバー
乾杯 日本ワイン
今週のワイン
カーブドッチ
カーブドッチ ワイナリー
住所 新潟県巻町角田浜1661
電話番号 0256・77・2288
ホームページ http://www.docci.com
・・・・・・・・・・・・・・・
バッカス 02 白
750ミリリットル 2150円
バッカス 02 白
vol.24 「白百合の香」放つ酒神の「白」
イラスト
イラスト・マリオン編集部
 1992年、日本海から佐渡島を望む新潟県巻町の沿岸に、7ヘクタールもの広大な葡萄園(ぶどうえん)が開かれた。欧州の庭園を思わせる敷地には、コンサートホール、カフェ、試飲カウンターのあるワインショップなどがあり、しゃれたレストランではウエディングもできる。

 この「カーブドッチ」の落希一郎さん(55)は、74年に当時の西ドイツに渡り国立大学でワイン造りを学んでから77年に帰国。日本での本格的なワインの誕生を夢見て、この地にワイナリーを開くことを決心した。湿度の高い日本海側の中では比較的雨の少ない新潟の海岸沿いとはいえ、湿気を嫌う欧州系のブドウを栽培するのは勇気のいる決断だったに違いない。

 ここではフランス原産のブドウ品種が主流だが、ドイツ系の品種もいくつか栽培されている。その中でも私が興味をもったのは、ギリシャ神話に登場する酒の神様と同じ名前の「バッカス」と呼ばれるブドウ。33年にドイツで誕生した交配品種で、「リースリング」と「シルヴァナー」を交配し、さらに「ミュラー・トゥルガウ」をかけ合わせている。

 ドイツのような冷涼な気候にも耐え、多くの収穫量を確保できるブドウ。このユニークな名前をもった珍しい白ワインを早く味わいたいと思い、取り寄せた。

 グラスに注がれた淡い色の白ワインは、香りがとても強く、「大きな白い百合の花が放つ香り」に似ている。時間とともに「静粛な空気の中、ゆるゆると漂う線香の煙」を思わせる。私の嗅覚(きゅうかく)は敏感に反応した。口に含めばしっかりとした酸味があるが、後味が心地よい。「優しい香りのパフュームを好む大人の女性」に似て、心を穏やかにしてくれるワインである。

 酒どころだけに、地元で受け入れられるまでに時間がかかったことだろう。私の生まれ故郷の新潟県で、ソムリエの心を引きつけてくれるワインがあることに感激した。空のグラスからは波の音が聞こえている。


(2003年11月3日朝日新聞東京本社朝刊のマリオン紙面から)

asahi-mullion.comのトップページへ
asahi-mullion.comのトップページへ

このホームページ(asahi-mullion.com)についてのご意見や情報提供は
hp-info@asahi-mullion.com

朝日新聞のマリオン紙面への掲載や問い合わせなどは
〒104-8011 朝日マリオン21・マリオン編集部
(TEL03-5540-7411 FAX03-3545-0525)
Eメールはpaper-info@asahi-mullion.com

asahi-mullion.comに掲載の記事や情報、写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2003 Asahi Mullion 21. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.