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乾杯 日本ワイン
今週のワイン
まし野ワイン
信州まし野ワイン
住所 長野県松川町大島増野3272
電話番号 0265・36・3013
ホームページ http://www.mashinowine.com
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山葡萄(やまぶどう)・エクセレント
01 赤 辛口
500ミリリットル 2000円
山葡萄・エクセレント
vol.33 地のブドウの個性生かして
イラスト
イラスト・マリオン編集部
 1991年に長野県松川町に設立された「信州まし野ワイン」は、標高700メートルを超える高原に位置する。リンゴ農家を営んでいた5人が集まってワイン造りを始めたというリンゴ畑に囲まれたワイナリー。欧州系のブドウ品種から仕込む本格的なワインのほかに、「シードル(リンゴ酒)」も生産している。

 ここに「大変珍しいワインがある」と、同県でワイナリーを営む知人が推薦してくれたのが、地元の中央アルプスで自生していたヤマブドウを改良し、順化させて仕込んだ「ヤマブドウ」によるワイン。

 正直なところ、「ヤマブドウ」から仕込んだワインなど「おいしいはずがない」と、気乗りがしなかった。「紹介するワインを変更しようかな」と、編集部にもらしたほどである。だが届いた手紙を読んでいるうちに、生産者の皆さんの熱意を感じ、やはり味わってみたくなった。

 コルクを抜いてグラスに注ぐと、つやがあって深い色調は「黒々としたヤマブドウの果皮」を連想させる。そして「たき火から取り出したばかりのサツマイモ」のような焦げ臭さがあり、「ヨーロッパ産の薬草のリキュール」のように甘くほろ苦い香りがする。ところが口に含んでみると「果物の甘酸っぱさ」があり飲みやすい。後味には「ハーブを煎じたお茶に似た特有のアロマ」が残る。「野生のヤマブドウだってなかなか立派なワインになるじゃないか」と、今になって感心させられた。疑心を抱いた自分を戒めながら、グラスに残ったワインを最後の一滴まで飲み干してしまった。

 南仏やイタリアのワイナリーを訪れると、「地のブドウで仕込むからこそワインに個性が生まれるのさ」と、人々は口をそろえる。欧州品種によるワインだけではなく、あえて「ヤマブドウ」によるワインを仕込み続ける村田純さん(42)や皆さんの心意気に感服させられた。「ワインこそ究極のスローフードである」と、教えられた1本である。


(2004年1月26日朝日新聞東京本社朝刊のマリオン紙面から)

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