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乾杯 日本ワイン
今週のワイン
七俵地畑収穫
山梨ワイン醸造
住所 山梨県勝沼町下岩崎835
電話番号 0553・44・0111
ホームページ http://www.yamanashiwine.co.jp
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カベルネ・ソーヴィニョン
七俵地畑収穫02 赤 辛口
720ミリリットル 3510円
七俵地畑収穫02
vol.38 濃縮されたブドウの甘み
イラスト
イラスト・マリオン編集部
 ブドウの里・勝沼にある「山梨ワイン醸造」のルーツは、1913(大正2)年にさかのぼるという。ブドウ栽培農家が集まって設立した協同組合を経て、62年に有限会社山梨ワイン醸造が誕生した。築百年を超える古い民家を改装した建物が特徴的なワイナリーである。この民家を試飲室、資料室、樽(たる)貯蔵庫、セラーとして使用している。

 販売しているワインは甘口のものが多く、「ピオーネ」「甲斐路」「あじろん」といった高級食用品種を原料にワインを造っている。しかし、仏・ブルゴーニュ地方でワイン醸造を学んだ野沢たかひこ専務(29)が、今、一番力を入れているのは、自社畑で育てたブドウを使った辛口ワインだ。

 1780本限定の「カベルネ・ソーヴィニョン七俵地畑収穫」は、私がもっとも気に入っている国産赤ワインの一つ。このワインを仕込むブドウは、ワイナリー近くの自社畑「七俵地畑」で栽培された。

 インクのように深く黒っぽい色調であるが、香りには「雨上がりの森林を散歩しているような、植物が放つすがすがしさ」がある。口に含んでみると「オーク樽から抽出された樹脂によるタンニン分」を感じつつ、のみこんだ後に「濃縮されたブドウのエキス分の甘み」が口中に長く残る。まるで「強固な意思で目的に進む若者」のように「無限の可能性」を秘めたワインである。

 「七俵地畑」のブドウの木は今年で6年目を迎えたと聞く。フランスでは「古木のブドウ樹は、収穫量は少ないが良い実をつけ、良いワインを生む」と言い伝えられている。年を重ねるたびに根を深く延ばし、やせた土地でも地中の養分を十分に蓄えることができるからである。

 2年前に初めて野沢さんに会った。「一生懸命仕込んだワインです」と、やや緊張気味にボトルをさしだしてくれた時の表情が忘れられない。ワインの味だけでなく、醸造家として成長する彼の姿を見るのも楽しみである。


(2004年3月8日朝日新聞東京本社朝刊のマリオン紙面から)

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