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2005.5.25(水)更新  特集/木を育て 森に遊ぶ

 緑の美しい季節。自分の手で将来の森をつくれる植樹イベントが各地で開かれています。自然豊かな森を歩けば、苗が育つ様子をワクワクしながら想像できそう。初夏の新しい楽しみにいかがでしょうか。

家族・同僚と楽しみながら植樹

 5月14日(土)、福島県大玉村で行われたJR東日本主催の植樹イベント「ふるさとの森づくり」。全国から集まった約700人が、横浜国立大名誉教授の宮脇昭さん(77)の指導のもと、カシ類を中心に、スダジイやヤマザクラなど22種類1万5千本の植樹を行った。
 「違う種類を隣同士で植えて、自然に近い状態を作りましょう」。麦わら帽子をかぶった宮脇さんが、ポットに入った苗を手に登場。世界中で3千万本以上の植樹をした経験をもとに、植え方の説明をする。
 初夏の太陽が照らす山での植樹。スコップで斜面にポットと同じくらいの大きさの穴をあける。土の中には、山の木の根がはっていて、掘り返すときに手応えがある。ひとりあたり20本ぐらいを話をしながらどんどん植えていく。家族連れ、会社の上司と部下で、など、さまざまな人がみな汗と土にまみれ、楽しそうに作業している。「一度やってみたくて、ひとりで来ました」と、埼玉県在住の塚越寛子さん(25)。地元の玉井小学校教頭の渡邊浩人さん(44)は「去年も、小学5、6年生の児童と保護者12人と参加しました。楽しかったのか、今年は前回の参加者も含め希望者が40人に増えました」。
 宮脇さんは言う。「つきあいで仕方なく来た人も、終わるころには目を輝かして帰るのが植樹イベントの面白いところです」

イベント開催日時・会場問い合わせ
安中榛名ふるさとの祭り育樹イベント
5/29 10時半〜
長野新幹線安中榛名駅前
事務局
0120-770027
「いのちの森植樹祭」
6/4 正午〜
三協興産(川崎市川崎区)
地球の緑を育てる会
045-812-9696
理研・横浜研究所主催
植樹イベント
7/9 10時〜(予定)
同研究所(横浜市鶴見区)
総務課
045-503-9111

照葉樹で「本物の森」の再生を

宮脇昭さんに聞く

 森には「本物」と「偽物」があります。太平洋岸の天然の「本物の森」ではシイ、タブ、カシ類といった照葉樹が主役。各地に残る「鎮守の森」のように多種類の木々でできています。スギなど同じ種類の常緑高木が並ぶ林は、人工のものです。どんな木でも、あったほうがいい。でも、できれば、本来の姿に近づける木を植えたい。そうすれば、豊富な種類の木々や草、コケがおのずと育ちます。
 自然環境に即した森は自らを守る手段も心得ていて、地震や火事にも強く簡単にはなくならないものです。だから、私が主催する植樹イベントではシイ、タブ、カシ類を中心に何十種類もの木々を、自然な状態に近づけて植えます。70年代から今まで、各地で実践してきたこの方法は、しっかりと成果を収め、本物の森に近づいていると思っています。

 戦災耐え抜いた大名庭園  浜離宮庭園

 約300年前に植えられ、江戸の大火にも、関東大震災、戦争による空襲などにも耐え抜いたという木々が茂る=写真。海水が出入りする池があることで知られる大名庭園で、四季折々の植物が楽しめる。
 東京都中央区浜離宮庭園(築地市場駅、TEL03・3541・0200)。入園料300円、65歳以上150円、小学生以下と都内在住・在学の中学生は無料。


 広葉樹17万本が茂る人工の森  明治神宮

 神社を囲む72ヘクタールに約17万本が茂る。大正9(1920)年の創建当初、100年後の状態を見越して植林した人工の森=写真。東京にはシイやカシなどの照葉樹が向いていると判断した当時の植物学者たちの先見の明に驚かされる。「樹木の養分になる森の中の落ち葉はそのままにしておく」という先人の教えを受け継いでいる。
 東京都渋谷区代々木神園町(原宿駅、TEL03・3379・5511)。


 江戸時代から残る豊かな緑  自然教育園

 巨木から低木まで約150種、約1万本が茂る。江戸から大正時代まで一般に開放していなかったため、豊かな緑=写真=が残る。ひときわ目に止まる大きなスダジイは、江戸時代、地方の藩主が屋敷をつくるとき、周りに築いた土塁の上に植えたものだという。
 東京都港区白金台5丁目(白金台駅、TEL03・3441・7176)。入園料300円、高校生以下無料。(月)休み。


 周囲包むスダジイやタブの森  円覚寺

 ウグイスなど鳥の声がこだまするスダジイやタブ、カシ、クスなどの広葉樹の森=写真=が周囲にこんもりと。国宝の洪鐘(おおがね)のそばにある「見晴茶屋」では、名物の「福ところてん」を味わいながら緑の向こうに富士山を望める。
 神奈川県鎌倉市山ノ内(北鎌倉駅、TEL0467・22・0478)。拝観料200円、小中生100円。午前8時〜午後5時(11〜3月は4時まで)。


(2005年5月25日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
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