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2005.8.3(水)更新  特集/地下空間が呼んでいる

 夏休み、どう過ごしますか。宇宙にあこがれ、秘境を夢見るのもいいけれど、もっと身近にある未知の世界「地下」を忘れていませんか?
 人々が行き交うその足の下に広がる空間が、あなたを呼んでいます。

 

PASONA O2
 人工光で野菜スクスク 
「花畑」  東京・大手町にある人材派遣会社パソナ本社。行き交う社員の間を抜けエレベーターで地下2階に下りると、日光の届かない「地下」とは思えない明るい空間が広がっている。
 ここは同社が運営する就農支援施設「PASONA O2(パソナオーツー)」。「農業を身近に感じ、興味を持ってもらおう」と、人工光や室温調整などハイテクを駆使し植物を栽培、展示している。
「育苗室」のサラダ菜  白色発光ダイオードで栽培した「花畑」(写真上は蓮(はす)の花)、土を用いず栄養分を溶かした養液でトマトを栽培する「果菜類栽培」など計6部屋で野菜や花を育てる。蛍光灯のみで育てられた「育苗室」のサラダ菜(同下)は、カフェテリアで試食も可能だ。
 親子で見学に来ていた小学生は、人工光だけで育つ野菜に見入っては部屋から部屋へ興奮気味に走り回っていた。

 PASONA O2
 東京都千代田区大手町2丁目(大手町駅、TEL03・6734・1070)。(月)〜(金)の午前11時〜午後6時。



首都圏外郭放水路
 巨大な柱「異世界」演出 
首都圏外郭放水路  ぬれた階段を慎重に下りると目の前に広がるのは、うっすらと霧がたなびき、蛍光灯の明かりに、巨大な柱が何本も浮かび上がる空間=写真。その眺めはまさに異世界の「地下神殿」。特撮映画のロケによく使われるというのも納得だ。
 この施設は埼玉県庄和町にある「首都圏外郭放水路」の調圧水槽。国土交通省江戸川河川事務所が管理している。大雨で中川など中小河川の水位があがると、立坑から水を地下に取り込み、全長約6キロのトンネルを通してこの調圧水槽にため、ポンプで江戸川に流し込んで洪水を防ぐ。
 調圧水槽は長さ177メートル、幅78メートル、高さ25メートル。500トンの柱59本が巨大水槽を支えている。床にはヘドロがたまっていて「先日の雨の際に水をためていたので」という説明に、現実感を取り戻した。
 アメリカやフランスからも、ホームページで知ったという見学者が来るという。世界でも珍しい大規模地下施設なのだ。

 首都圏外郭放水路インフォメーション
 埼玉県庄和町上金崎、龍Q館内(南桜井駅からバス、TEL・FAX048・747・0281、http://www.g-cans.jp)。見学日の1週間前までの(火)〜(金)、午前9時〜午後4時半に、電話かファクス(用紙はホームページから印刷)で予約。見学コースは三つ。調圧水槽を見学するAコースは(火)〜(金)、1日2回実施。



下水道を知ろう
「ふれあい体験室」  下水道の役割や仕組み、歴史などをわかりやすく映像システムやパネルで展示。大型モニターで、下水をきれいにするツリガネムシやミドリムシなどの微生物の観察もできる。地下5階の「ふれあい体験室」では、地下25メートル、内径4.5メートルの本物の下水道管内部=写真=を見学できる。

 ふれあい下水道館
 東京都小平市上水本町1丁目(鷹の台駅、TEL042・326・7411)。午前10時〜午後4時。(月)((祝・休)の場合は翌日)休み。



日銀史語る金庫
日銀史語る金庫  ベルギーの中央銀行をモデルに1896(明治29)年に完成した日本銀行本館は、国の重要文化財にも指定されている。  昨年6月まで使われていた総面積1426平方メートルの旧地下金庫=写真=には、紙幣を運搬していたトロッコのレールや震災時の消火活動の際に出来た水の跡などが残り、歴史を感じさせる。

 日本銀行
 東京都中央区日本橋本石町2丁目(三越前駅)。(月)〜(金)の1日4回。本館、史料展示室、旧地下金庫などを巡る。中学生以上対象要予約。お問い合わせ先同情報サービス局(03・3277・2815)。



文化香る発掘場
地下採掘場跡  旧帝国ホテルにも利用された「大谷石」を、19年〜86年の約70年間採掘した地下採掘場跡=写真=が見学できる。深さは約30メートル、広さは約2万平方メートル。ツルハシの跡の残る坑内は、常に8度前後。かつては米の貯蔵庫などに、現在はコンサートや美術展の会場、映画のスタジオなどにも利用されている。

 大谷資料館
 宇都宮市大谷町(宇都宮駅からバス、TEL028・652・1232)。午前9時〜午後4時半。600円、小中学生300円。(木)休み(8月は無休)。



(2005年8月3日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
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