
ぬれた階段を慎重に下りると目の前に広がるのは、うっすらと霧がたなびき、蛍光灯の明かりに、巨大な柱が何本も浮かび上がる空間=
写真。その眺めはまさに異世界の「地下神殿」。特撮映画のロケによく使われるというのも納得だ。
この施設は埼玉県庄和町にある「首都圏外郭放水路」の調圧水槽。国土交通省江戸川河川事務所が管理している。大雨で中川など中小河川の水位があがると、立坑から水を地下に取り込み、全長約6キロのトンネルを通してこの調圧水槽にため、ポンプで江戸川に流し込んで洪水を防ぐ。
調圧水槽は長さ177メートル、幅78メートル、高さ25メートル。500トンの柱59本が巨大水槽を支えている。床にはヘドロがたまっていて「先日の雨の際に水をためていたので」という説明に、現実感を取り戻した。
アメリカやフランスからも、ホームページで知ったという見学者が来るという。世界でも珍しい大規模地下施設なのだ。