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あらと・げんじろう
80年、鈴木清順監督作品のプロデューサーとして東京タワーの下に移動型映画館を造り話題に。03年「赤目四十八瀧心中未遂」を監督。
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昨年12月、東京・上野の国立博物館敷地内に「一角座」が出現。「ゲルマニウムの夜」(花村萬月原作)を上映するために設営された映画館だ。発案者は製作総指揮の荒戸源次郎さん(59)。今この作品を見られるのはここだけだ。
企画当初から、専用の映画館を建てることが前提でした。原作を読めば分かる通り、映画化するうえでも暴力と性描写はどう考えたって外せない。でも映倫にレーティング(等級)は付けられたくなかった。だったら映倫を通さずに公開できる映画小屋を自分で建てるしかない、と。企画から約1年半で公開しました。
映画館にかけてもらうのを順番待ちしているのが、今の日本の映画業界。「フィルムは腐らない」と言っても、私は映画に賞味期限はある、と思っています。撮った時の「体温」みたいなものが、時間とともに失われてしまうから。それに、結局公開されずにお蔵入りしてしまう映画が多すぎる。
フィルムは、お客さんに見てもらって初めて「映画」となる。作り手は、どんな方法でもいいから「必ず公開するんだ」とプライドを持ってやっていかないと。自分は、そのプライドを捨てるのは嫌だ。
作り手にとって作品は、子供のようなもの。その子が一番幸せになれるよう、映画にも映画館を選ばせてあげたい。今後製作する作品のなかには、ここ「一角座」でかけるものもあれば、一般の映画館でかけるものも出てくるでしょう。選択肢の一つとして自分たちの映画館を造ったってわけです。
ここは映画の原点である「音」と「画面」を最優先した、映画の作り手による、観客のための映画館です。