卵白、砂糖、アーモンドパウダー。マカロン生地の基本材料はシンプルだ。しかしパティシエ(菓子職人)たちは、「いかにおいしく作るかが、腕の見せどころ」と口をそろえる。表面はサクッと、中はしっとりと焼き上げた生地の中に、クリームを挟む。直径約4センチの「生焼き菓子」は、パティシエの技術の固まりなのだ。
東京・丸の内の「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」(TEL03・5293・2800)には、抹茶、梅、スミレなど12種のマカロンが並ぶ。「パティシエの青木定治が、3年かけて生み出したものです」とスタッフ。まずパリに店を開いた青木さんは「食感」「口溶け」にこだわり、欧州各国をめぐってアーモンドパウダーの研究を重ねてきた。
バレンタインデー前にはハート形の限定商品を発表。男性客からも好評を得たのは想定外だった。
口に入れた瞬間、「サプライズ」に出合えるマカロンもある。「ピエール・エルメ・パリ青山」(TEL03・5485・7766)には9種が並ぶ。「ユイル・ド・オリーブ・エ・バニーユ」の中の刻んだオリーブや、「アラベスク」のアプリコットは、「クリームの中の食感で驚かせたい」というエルメさんの粋な演出。今夏には清涼感を追求し、ゼリーを入れた「夏のマカロン」を発表する予定だ。
結婚式の引き菓子、また「紅白饅頭(まんじゅう)」ならぬ「紅白マカロン」の注文が入る店もある。イチジク、ワサビ、桜……。そんな新顔も現れ、「マカロンの世界」は、さらに大きく広がりつつある。