懸賞サイトは朝日マリオン・コム-懸賞 プレゼント、懸賞 応募、懸賞 旅行
2006.3.29(水)更新  特集/春の食卓 ガラスで彩り

 春到来。透明感のある柔らかい色合いや質感、工夫を凝らしたガラスの食器を使って、テーブルから季節感を演出してみませんか?

 昨年末、沖縄県読谷村の工房「虹」に併設してギャラリーを開設した。

 新作「土紋」の変形鉢。

沖縄の海
作品に織り込む

 南国の海と空気を思わせる色合い、素朴で思わず触れたくなるような温かみ――「現代の名工」にも選ばれた沖縄県読谷村のガラス工芸家、稲嶺盛吉さん(65)の作品展が4月、神奈川県藤沢市で開かれる。

 コーラやビール、泡盛などの空き瓶を溶かし、自然に生まれる色を生かしつつ、よみがえらせる。厚くて重く、陶器のようなぬくもりを感じさせる琉球稲嶺ガラス。那覇市の民芸品店に並ぶたくさんの琉球ガラスの中にあっても、稲嶺作品は一目で分かるほどだ。

 琉球ガラスは再生ガラスを原料として使うため、ポツンポツンと気泡が入る。それが特徴であり、難点でもあった。泡がないことが、高品質のガラスの条件だからだ。

 「泡が取り除けないのなら、全部、泡にしてしまえ」。弱点を逆手にとった発想だった。研究を重ね、米ぬかなどを原料に混入することで、意図的にガラスの中に細かい気泡を生み出す技法を確立。この「泡ガラス」は稲嶺さんの代表作となる。

 ある時、溶かしたガラスに黒糖の粉末を混ぜた。するとガラスが小豆色に。備長炭の微粒子、カレー粉、紅芋など、思いつくままにそばにあった素材を試し、自由な色合いを生み出してきた。

 新作は土を使った「土紋シリーズ」。「海の中のサンゴをイメージする作品を作ろうと思った」と言うように、表面がザラザラとしている。こんなガラスは見たことがない。作り方を知りたくて「宙吹ガラス工房 虹」を訪ねた。宙吹き法で形作った高温のガラスを、熱いまま土を溶かした液体につけ込む。取り出した後、乾いた透明なガラスの表面には、張り付くように土がまぶされていた。

 ガラス職人として50年。米兵や観光客向け沖縄土産という印象が強かった琉球ガラスを、芸術的工芸品として高めた。「泡ガラス」の第一人者はなお、新たな作品を生み出し続けている。


 現代の名工・琉球稲嶺泡ガラス工芸50年――稲嶺盛吉の世界展
 4月7日(金)〜16日(日)、午前10時〜午後6時、神奈川県藤沢市辻堂1丁目のアートスペース・キテーネ(辻堂駅、TEL0466・37・1611)。グラス、小鉢、花器、オブジェなど100点以上を展示、販売(4500円〜)。



 
黒白シリーズ パリで話題に

黒と白  千葉県九十九里町の菅原工芸硝子(ガラス)。1400度で燃え続ける炉から取り出された水あめのようなガラスが、次々と形を変えていく。
 4000にものぼる商品は、海外でも高い評価を得ている。きっかけは、84年に発表した「ブラック&ホワイト」シリーズだった。国内で評判となり、米国の有名百貨店からも引き合いがあった。「ワインを入れても色が分からないし、われわれですら、これで何を飲むんだと思ったものです」と、2代目社長の菅原実さん(65)は当時を振り返る。03年から、パリで開かれる「メゾン・エ・オブジェ」に出展している。海外市場を相手に、和の雰囲気を醸す製品ではなく「あえてスガハラらしいものを」と、ずっと新作を出し続けている「黒と白」のシリーズ(写真、グラス1155円〜)を投入。評価は上々だ。
 約8年の仏滞在歴があるアパレルメーカー広報の武安輝子さん(33)は、「モダンで大胆なデザインとガラスという繊細な素材の組み合わせが新鮮」。銀食器にも違和感なくなじむ。「確かに、パリにはこういうのはなかった」と話している。


【菅原工芸硝子】 千葉県九十九里町藤下(東金駅からバス、TEL0475・76・3551)。工場見学は午前9時〜午後5時。東京・青山などに直営店も。

 ◆メゾン・エ・オブジェ
メゾン・エ・オブジェ  年に2回、1月と9月に開催されるヨーロッパ最大級のインテリア国際見本市。美術工芸、家具、食器類、玩具など、洗練されたインテリアがそろい、最新トレンドを発信することで知られる。今年1月には、20万平方メートルにわたる会場に約3千社が出展し、約7万6000人が来場した=写真

 
 

 
グラスに咲く 日本の美

蒔絵  風に舞う桜の花びらを本金蒔絵(まきえ)で描いたシャンパングラスは、東京・表参道に店を構える老舗(しにせ)古美術店「富士鳥居」のオリジナル商品(写真、1客1万2250円)。
 蒔絵は、漆で描いた文様の上に金粉をまいて仕上げる漆工芸の技法。デザインによっては金色の文様の裏側に、赤や黒など地の色がのぞき、ロゼシャンパンを注げば春らしさが増す。
 本来、蒔絵はガラスに定着しないが、薬剤の開発と工夫によって食器洗い機でも洗える耐久性を持つように。オーストリアのグラスメーカー「リーデル」社のグラスを使って、京都の蒔絵師が1点ずつ手作業で仕上げている。家紋やロゴマークのオーダーも受け付ける。

【富士鳥居】 東京都渋谷区神宮前6丁目(明治神宮前駅、TEL03・3400・2777)。午前11時〜午後6時。(火)、第3(月)休み。

 
 


(2006年3月29日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)
特集 目次 ヘ    春の食卓 ガラスで彩りTOPヘ

asahi-mullion.comトップページへ
サイトマップ | 会社案内 | 朝日マリオン・コムとは | 姉妹メディア | 会員規約 | 個人情報・著作権
asahi-mullion.comに掲載の記事や情報、写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright 2006 Asahi Mullion 21. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.