関東地方1都6県のまとめによると、この夏の花火大会は280会場を超える。土地柄や伝統を生かした催しの代表格は、東京都の隅田川花火。小ぶりの花火を一つひとつ、丁寧に打ち上げる。一方、増えているのが、テーマパークのショーのように音と光の中でリズミカルに打ち上げる演出。きらびやかさが特徴の新しいエンターテインメントだ。
「新たな伝統づくりのためにも、新しい特徴を組み入れたい」。4回目となる静岡県の御殿場高原花火は今夏、催しの流れを大幅に変える。御殿場市は、演出を東京・日本橋の丸玉屋(小勝敏克社長)に依頼した。丸玉屋は、ストーリー性を重んじた構成と、ポップスやクラシック音楽に合わせてイタリアやスペインなど世界中の花火を打ち上げるのが特色で、東京ディズニーシーのショーも手がけている。
小勝さんは、日本の花火演出家の先駆け。昨年は、ドイツであった花火ショーのコンペで優勝した。「欧米の演出と表現力」と「世界に誇る日本の花火技術」を融合させた花火大会の実現に奔走している。
8月12日、東京湾大華火祭。同じ日の「新生・御殿場花火」を気にしながら、この夏も現場に立つ。最初と最後の集中的な打ち上げ数や、大輪の直径が300メートルをはるかに超える大型花火の連発が見ものだ。周辺のレインボーブリッジなど、景色も生かした演出効果を狙う。
予算や地理的要素など限られた条件の中だが、「常に観客の視点に立って、いかに楽しんでもらうかが腕の見せどころです」。