奥多摩町は国内でも有数の「巨樹・巨木の里」だ。環境省が目安としている「地上から1・3メートルの位置で幹周りが3メートル以上の樹木」が、約千本確認されている。そのほとんどが、町内でも奥まった山間部、日原(にっぱら)地区の急しゅんな渓谷や山腹で息づいている。
「何百年も命をつないでいる『生き物』として、ただその存在感に圧倒されます」。都の自然保護員を務める北山郁人さん(32)は、こんな表現で巨樹の魅力を話す。
埼玉県内から移り住んで7年目。学生時代には、町立日原森林館で巨樹解説員のボランティアをしていた。「子どもや若い人たちに、もっと森のすばらしさを知ってほしいですね」。すっかり巨樹に魅せられ、いまでは訪れる人を対象に、同じくこの地域にひき寄せられた20〜30代の仲間約10人と、自然体験や山村文化の体験ツアーを企画している。
「巨樹の魅力を伝えるのに言葉は不要」と北山さん。「神秘、超自然。巨樹を前にすると、なにか年長者から重みのある言葉を聞いたような気分になるんです」。
■日原森林館:全国の巨樹・巨木情報が検索できるパソコンを設置しているほか、巨樹の絵画や写真を展示している。午前10時〜午後5時。(月)休み。TEL0428・83・3300。