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私の描くグッとムービー

南海キャンディーズ・しずちゃん(お笑い芸人)
「ネバーエンディング・ストーリー」(1984年)

「一緒やね」今なら穏やかに言える

南海キャンディーズ・しずちゃん(お笑い芸人)「ネバーエンディング・ストーリー」(1984年)

 いじめられっ子の少年が、ある本の勇者の冒険の物語にのめり込んでいくというストーリーです。最後には本と現実がシンクロしていきます。
 イラストには、少年が読んでいる本「ネバーエンディング・ストーリー」に出てくる、岩を食べる生き物のロックバイターを描きました。隣には、「一緒やね」という表情の私がいます。
 南海キャンディーズのネタでは、山ちゃんが私のことを色々なものに例えますが、そのうちのひとつが岩のお化けです。山ちゃんのなかには、「しずちゃん」というキャラクターが男でも女でもなく、不思議な世界にいそうな化け物的な生き物というイメージがあったんです。自分ではそういうつもりはなかったんですが(笑)。
 実は、中学生の頃に学校で「岩石女」と呼ばれてすごく嫌な思いをしました。でも、それが今ではネタになっています。お笑いをやり始めた当初の原動力はこの時の悔しさでしたし、今面白くエピソードをしゃべれるのもこの経験のおかげです。当時の苦しくてつらい思いが、お笑いになって昇華できたんです。
 だから、ロックバイターには「一緒やね」と、親しみを感じます。あの時は嫌だったけれど、今では「よくあなたに例えられてきたよ」という穏やかな思いです。
 今年南海キャンディーズは結成20周年を迎えました。漫才は自分の基盤です。これからも舞台の上に立ち続け、2人でもっとネタをやりたいと思っています。また、絵の方面では、まず次の個展に向けて頑張ります。

(聞き手・千葉菜々)

 

  監 督=ウォルフガング・ペーターゼン
   原 作=ミヒャエル・エンデ
   出 演=バレット・オリバー、ノア・ハザウェイほか
南海キャンディーズ・しずちゃん
お笑い芸人。2003年に山里亮太と「南海キャンディーズ」結成。今年5月銀座三越にて、初の個展「しずちゃんの、創造と破壊 展」を開催。8月2日(水)〜14日(月)には伊勢丹浦和店(埼玉県)にて開催予定。エッセー「5000グラムで生まれた女のちょっと気ままなお話」(ヨシモトブックス)が、8月2日(水)に発売予定。

 

  南海キャンディーズ しずちゃん 公式インスタグラム
  https://www.instagram.com/nankaicandies/

  ツイッター しずちゃんの創造と破壊チャンネル【公式】
  https://twitter.com/sizusozotohakai

(2023年7月21日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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