アートリップ

階段アート「金魚とスイカ」 
福島知里作(埼玉県熊谷市)

猛暑対策 見て涼む

福島さんの好きなテーマは動物。本作は金魚のウロコの表現までこだわった=山本倫子撮影

福島さんの好きなテーマは動物。本作は金魚のウロコの表現までこだわった=山本倫子撮影

  • 福島さんの好きなテーマは動物。本作は金魚のウロコの表現までこだわった=山本倫子撮影
  • 久慈彩月さん「空のくじら」。空を泳ぐクジラが描かれている=山本倫子撮影

 汗をぬぐって見上げると、目の前にカラフルに彩られた階段が現れた。7月初旬のJR熊谷駅正面口。38段にわたって大胆に描かれているのは、水に浮かぶスイカの間をスーイスイと泳ぐ金魚だ。この日の最高気温は32・8度。一瞬汗がすっと引いた気がした。

 2007年8月、最高気温が40・9度を記録し、猛暑で一躍有名となった熊谷。この階段アートは、11年から始まり、7年目になる。市役所の若手職員が中心となった「暑さ対策プロジェクトチーム」が、視覚的に暑さを和らげようと発案した。

 応募資格を設けずに作品を募り、JR熊谷、籠原(かごはら)駅の階段に原画を拡大印刷したシートを貼り付けて再現。今年、89作品中から最優秀作品に輝いた「金魚とスイカ」の原画は、熊谷西高2年・福島知里さん(16)が手がけた。「昨年は応募しませんでしたが、約1年間毎日絵を描くうちに少しずつ自信がつき、今年は挑戦してみました。選ばれて驚いています」。また、優秀作品の中で、熊谷駅南口に展示されているのは、熊谷女子高2年・久慈彩月(あづき)さん(17)の「空のくじら」。全体が青色で統一され、雲の表情や衣服のたなびきが清涼感を誘う。「絵を見て、少しでも涼んでほしい」と、階段アートに取り組む2人の姿勢は真剣そのものだ。お陰で、今年の猛暑も何とか乗り切れそうだ。

(笹木菜々子)

 JR熊谷駅

 高崎線や新幹線が乗り入れ、1日約6万1700人が利用する。夏期は、天井からミストシャワーを噴射するなど、暑さ対策を実施。同駅と籠原駅で毎年行う階段アートは、「涼」「水」「青」がテーマ。なるべく多くの人が応募しやすいように、原画を募集する段階では縦横比を定めていないという。選ばれた原画は、階段の形に合うように、地元のアルスコンピュータ専門学校が中心となってCG加工などを行っている。作品は9月30日まで展示予定だ。


ぶらり発見

雪くま

 熊谷名物のかき氷「雪くま」は、熊谷の水を使った貫目(かんめ)氷をふわふわの雪のように削り、地元の飲食店など28店舗が独自のシロップや食材を使って味と技術を競っている。JR熊谷駅からバスで4分のいわ瀬(TEL048・522・4868)で販売中の「雪くまミルク」(写真、430円)は、練乳がたっぷりかかっていて、口溶けも抜群だ。

 7月20日~22日は、うちわ祭が開催される。駅周辺の市街地を、12台の山車(だし)・屋台が練り歩く。問い合わせは市スポーツ観光課(524・1111)。

(2017年7月11日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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