美博ノート

歌川芳藤「五拾三次之内猫之怪」

浮世絵ねこの世界展(豊橋市二川宿本陣資料館)

1847(弘化4)年 大判錦絵

1847(弘化4)年 大判錦絵

 目を見開き、今にも襲いかかってきそうな形相の化け猫。よく見ると、大小様々な猫を集めた「寄せ絵」になっている。さながら、花や野菜を組み合わせて肖像画を描いた、16世紀の画家アルチンボルドのようだ。

 作者は歌川国芳の門弟、芳藤(よしふじ)(1828~87)。子ども向けの浮世絵「おもちゃ絵」を得意とした。

 本作は、47年に上演された歌舞伎「尾上梅寿一代噺(おのえきくごろういちだいばなし)」に登場する化け猫がモチーフ。御簾(みす)から出てくる化け猫の顔は、目は鈴、舌は首輪のひもと、全てが猫にちなんだもので構成されていて、芳藤の遊び心がうかがえる。

 鼻部分の猫は「蹲踞(そんきょ)した力士の後ろ姿のようにも見え、怖さの中にもユーモアを感じます」と学芸員の和田実さん。

(2017年8月8日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

広告
「美博ノート」の新着記事 一覧を見る
「ひとりでに編める ウット毛糸」

「ひとりでに編める ウット毛糸」

レイモン・サヴィニャック(1907~2002)が、仏のウット毛糸から依頼されたのは、ブランドのキャッチフレーズを広告ポスターにすること。

「牛乳石鹸モンサヴォン」

「牛乳石鹸モンサヴォン」

フランスを代表するポスター作家レイモン・サヴィニャック(1907~2002)。本展は、可愛らしくユーモアあふれる作品約200点を、モチーフや表現方法など10の項目に分けて紹介する。

「きじ馬・きじ車」

「きじ馬・きじ車」

馬や鳥のような胴体に車輪を付けて転がせるようにした、九州の木製玩具「きじ馬」。「きじ車」と呼ぶ地域もあり、由来は各地で様々だ。

「有馬人形筆」

「有馬人形筆」

筆先を下にして持つと、筆の尻からひょっこり豆人形が顔を出す。筆を逆さにすると人形は姿を隠してしまう。神戸・有馬温泉に伝わる兵庫県の伝統的工芸品「有馬人形筆」だ。

新着コラム 一覧を見る
「スガキヤ」の特製ラーメン

おんなのイケ麺(めん)

渡辺美奈代さん
「スガキヤ」の特製ラーメン

名古屋圏では有名で、愛知県出身の私にとっては、ソウルフードのひとつ。和風とんこつのあっさりしたスープ、ツルリとしたのどごしのいい麺、そして、子どものお小遣いで食べに行ける価格帯。この三拍子が魅力です。

「BAKE CHEESE TART」の焼きたてチーズタルト

オトコの別腹

藤田貴大さん
「BAKE CHEESE TART」の焼きたてチーズタルト

僕は、小さい頃から本当に偏食で、甘い物やケーキも苦手。だけど最近、実は甘い物が好きなのかもしれない、と気づき始めたところなんです。

「ムクドリの飛行のように」 ダニエル・ビュレン作(東京都中央区)

アートリップ

「ムクドリの飛行のように」 
ダニエル・ビュレン作(東京都中央区)

見上げると、赤と青の対比が目に飛び込んできた。複合商業施設GINZA SIXの店舗中央を貫く吹き抜け空間に、2種のストライプの旗約1500枚がずらりと並ぶ。

樂焼 樂美術館

私のイチオシコレクション

樂焼 樂美術館

華やかな模様や色、形の変化をそぎ落とした、静かで端正な「樂茶碗(らくちゃわん)」。安土桃山時代、千利休に見いだされた樂家の初代長次郎(?~1589)が作り出しました。

マイページへ 新規会員登録

プレゼント応募時に1度会員登録をされると、以後はパスワードなどの入力だけでご応募いただけます。