読んでたのしい、当たってうれしい。

美博ノート

伝マルタン・ベルト「ティーセット 箱付」

パリジェンヌ展(名古屋ボストン美術館)

1728~29年 Elizabeth Parke Firestone and Harvey S. Firestone, Jr. Collection 1993.520.1-8 Photo (C)MFA,Boston
1728~29年 
Elizabeth Parke Firestone and Harvey S. Firestone, Jr. Collection 1993.520.1-8 Photo ©MFA,Boston

 パリジェンヌはいつの時代も女性の憧れ。本展では、18~20世紀の絵画やファッション、写真などを通してパリに生きる女性の魅力に迫る。

 ルイ14世の治世が終わると、文化の中心はベルサイユからパリへ。文化人らが邸宅に集い交流するサロン文化が花開いた。「華やかなティーセットが会話のお供だったのでは」と名古屋ボストン美術館学芸員の柳澤宏美さん。パリ製のティーポットやキャニスターに、有田製の砂糖入れと柿右衛門様式のティーボウル。当時、東洋の茶器は東インド会社を通じて輸入され、人気が高かった。

 サロンを主宰する女主人も現れた。政治の話やウィットに富む会話で客をもてなす彼女たちのサロンは、流行の発信地になっていく。

(2017年9月12日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

美博ノートの新着記事

  • あやめの衣 洋画のなかに日本の美。シンプルな構図で映える女性と江戸の小袖

  • ぬいとり 開催中の展覧会から注目作品をご紹介する「美博ノート」。全3回で、一宮市三岸節子記念美術館で開かれている「岡田三郎助 優美な色彩・気品ある女性像」を紹介します。

  • 三岸節子肖像 開催中の展覧会から注目作品をご紹介する「美博ノート」。今回から3回、一宮市三岸節子記念美術館で開かれている「岡田三郎助 優美な色彩・気品ある女性像」を紹介します。

  • 爆弾散華 碧南市藤井達吉現代美術館で開催中の「川端龍子展」の注目作をご紹介します。

新着コラム