美博ノート

志賀理江子「予感と夢」

ビルディング・ロマンス 現代譚(ばなし)を紡ぐ(豊田市美術館)

志賀理江子「予感と夢」

2018年

 1組4作家の作品から、家族や土地など身近な関係性の中に潜む「現代の物語」を読み解く本展。

 写真家の志賀は、大きく引き伸ばした写真を壁一面に配したインスタレーションを見せる。写真に写るのは、貨物用エレベーターの中で眠るように目を閉じ、寄り添う人々だ。

 被写体は皆、機械産業の従事者だという。土着の物語を視覚化する作品を手がける志賀が、自動車産業の集積地、豊田の物語として選んだテーマは「機械と人」。「機械化された現代に潜む『生命のノイズ』を、志賀は見つめている」と学芸員の能勢陽子さんは話す。

 機械の無機質さと眠りから連想される「死」の感覚と、被写体の生々しい存在感とが共存する。「死と再生の物語でもあるんです」

(2018年2月13日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

広告
「美博ノート」の新着記事 一覧を見る
「ヒナゲシの活(い)けられた花瓶」

「ヒナゲシの活(い)けられた花瓶」

風景画を愛好したモーリス・ド・ヴラマンク(1876~1958)だが、静物画も繰り返し描き続けている。

「冬の村通り」

「冬の村通り」

モーリス・ド・ヴラマンク(1876~1958)と言えば、重厚な色調で描かれた雪景色や田舎の風景を思い出す人が多いだろう。

「緑色のテーブルの上の静物」

「緑色のテーブルの上の静物」

仏の近代絵画、フォービスム(野獣派)の巨匠モーリス・ド・ヴラマンク(1876~1958)。本展では、彼の第二期ともいえる「セザニアン期」から最晩年までの作品76点を時代を追って展示する。

「霊峰春色」/「東海神秀」

「霊峰春色」/「東海神秀」

今回は横山大観(1868~1958)の「霊峰春色」と、橋本関雪(1883~1945)の「東海神秀」の富士山対決。いずれも第2次大戦前、国威発揚のために描かれたという。

新着コラム 一覧を見る
Locus of Time 3 田辺武作(山口県宇部市)

アートリップ

Locus of Time 3 
田辺武作(山口県宇部市)

山口宇部空港に接し、青々とした芝生が広がるふれあい公園。子どもが走って行く先に、不思議な赤い彫刻があった。

ドイツ表現主義 高知県立美術館

私のイチオシコレクション

ドイツ表現主義 高知県立美術館

20世紀初頭のヨーロッパでは産業化への反発が高まっていました。そんな中、ドイツで自然回帰や南国への憧れを抱き、自身の「主観」を大事にする芸術集団が結成されます。これがドイツ表現主義美術の始まりです。

東京ステーションギャラリー

気になる一品

東京ステーションギャラリー

大正ロマンを代表する画家竹久夢二(1884~1934)の全貌に500点超の展示品で迫る「夢二繚乱」(7月1日まで)。ショップでは、代表作をパッケージに使用した入浴剤が人気。

どぜう飯田屋@浅草

街の十八番

どぜう飯田屋@浅草

下町情緒が残る浅草。雷門1丁目交差点で国際通りを東から西に横断して浅草菊水通りに入り、最初の路地を右折すると「どぜう」と書かれた看板が目に飛び込んでくる。

マイページへ 新規会員登録

プレゼント応募時に1度会員登録をされると、以後はパスワードなどの入力だけでご応募いただけます。