街の十八番

平野工芸@日光

母娘2人つなぐ日光彫

並んで作業する平野秀子さん(右)と娘の央子さん

並んで作業する平野秀子さん(右)と娘の央子さん

  • 並んで作業する平野秀子さん(右)と娘の央子さん
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 江戸時代、日光東照宮造営のために集められた大工や彫刻師たちが余技で始めたという日光彫。先がカギ状になった「ひっかき刀」を用いるのが特徴で、図案には東照宮の装飾に見られる牡丹(ぼたん)や菊、桜などが多く使われる。

 国道119号から1本入った静かな路地に、母娘で営む「平野工芸」がある。朝9時から午後7時ごろまで、時にはけんかをしながら2人並んで作業する。3代目の平野秀子さん(67)は「家業だったから、子育てをしながらも自然と技術を学べたんです」。

 50年ほど前まで、日光土産の定番は日光彫のお盆だった。旧日光市には木地師、塗師、彫刻師など日光彫に関わる職人ら約400人がいたが、現在は10人ほどという。

 東日本大震災を機に観光客が減少し、「平野工芸」は東照宮近くにあった店を閉めた。現在は注文生産のほか、各地の百貨店や物産展などの実演販売に出向く。

 娘の央子(ちかこ)さん(43)は、この道に入り約15年。「産業としては難しくても、一作家として技術を発信し続けていけたら」

(文・写真 秦れんな)


 ◆栃木県日光市御幸町640の5、自宅兼工房(TEL0288・54・1014)。午前9時~午後7時。東武日光駅。

(2017年11月10日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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