読んでたのしい、当たってうれしい。

オトコの別腹

南川憲二さん
「菓匠幹栄×CafeLatte57℃」の栗どら焼き

「菓匠幹栄×CafeLatte57℃」の栗どら焼き
「菓匠幹栄×CafeLatte57℃」の栗どら焼き
「菓匠幹栄×CafeLatte57℃」の栗どら焼き 南川憲二さん

 映画「あん」を見たら死ぬほどどら焼きが食べたくなったんです。一緒にカフェラテも飲みたくて、冗談半分でこの二つを検索、アトリエから車で20分くらいの場所に偶然見つけたお店です。週1回ほど通っていて、どら焼きとカフェラテはぼーーっとしながら作品のアイデアを出す時のお供です。

 埼玉県は小麦が名産で、このお店でも使われています。どら焼きの生地ってあんこを支える脇役のイメージでしたが、この生地には主張があって、あっさりながらしっかり小麦の香ばしさが香ります。栗はすごく大きくて、あんこの中に栗があるというより、栗の周りにあんこがくっついている感じです。

 僕が所属する現代芸術チーム「目」は、僕と増井宏文、荒神明香の3人が中心メンバーです。偶然、このお店も和菓子担当のお兄さん、洋菓子の妹さん、コーヒーの弟さんの3人が中心なんだそう。時々登場する和と洋を掛け合わせたお菓子もカフェラテといただくのですが、絶妙で、見事なチームワークが伝わってきます。僕たちはよくぶつかるので、どうケンカせず、これだけのものを作り上げてお客さんの口の中で発揮できるのだろうと、いちファンとして毎回感動してしまうんです。

 ◆埼玉県桶川市朝日1の26の10(問い合わせは048・782・9199)。
 302円。
 オンラインストアでは栗どら焼きや桶川ゆずケーキなど計4種8個が入った「幹栄お菓子」(2300円)も。


 みなみがわ・けんじ
 1979年生まれ。現代美術活動チーム「目[mé]」のディレクター。今夏、東京の空に実在の人物の顔を浮かべるプロジェクト「まさゆめ」を行った。

(2021年12月9日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

オトコの別腹の新着記事

新着コラム

  • 美博ノート 五十三次 京三條橋 江戸・日本橋から約500キロ、東海道五十三次の終着点は京の玄関口・三条大橋。東山や八坂の塔を背景に、頭に薪をのせて売り歩く大原女、茶筅をさした竹棒をかつぐ茶筅売り、衣を頭にかぶった被衣姿の高貴な女性が行き交う。

  • 私のイチオシコレクション カメイ美術館 当館は仙台市に本社をおく商社カメイの第3代社長を務めた亀井文蔵(1924~2011)が半世紀以上かけて収集したチョウをコレクションの柱の一つとし、約4千種、1万4千匹の標本を展示しています。

  • 建モノがたり 本館古勢起屋 (山形県尾花沢市) 川の両岸にレトロな旅館が立ち並ぶ。そんな銀山温泉のイメージを体現する築110年の「本館古勢起屋」は、老朽化などのため約20年ほぼ放置されていた。

  • ななふく浪曲旅日記 浪曲は治療、なら、浪曲師はお医者さん? 朝日新聞のWEBRONZA論座で「ななふく浪曲旅日記」として、連載をさせていただいておりました。浪曲のお仕事でさまざまなところへ旅をする中で感じたことを綴っておりましたのを、装い改めて、こちらで再連載することになりました。どうぞよろしくお願いいたします。