五十三次 京三條橋
江戸・日本橋から約500キロ、東海道五十三次の終着点は京の玄関口・三条大橋。東山や八坂の塔を背景に、頭に薪をのせて売り歩く大原女、茶筅をさした竹棒をかつぐ茶筅売り、衣を頭にかぶった被衣姿の高貴な女性が行き交う。
戦後まもなく登場した自転車「三菱十字号」は、敗戦で航空機製造を禁止された旧三菱重工業が、民生事業に軸足を移そうと製造、販売された。
十字形のフレームには、航空機の残材だったジュラルミンを利用。「シンプルで、時代を経ても古びないデザインが特徴」とトヨタ博物館学芸・企画1グループの鳥居十和樹さんは話す。
設計した本庄季郎(きろう)は、旧日本海軍の主力爆撃機「九六式陸上攻撃機」「一式陸上攻撃機」の設計者だった。零式艦上戦闘機(ゼロ戦)を設計した堀越二郎の同僚で、堀越をモデルにした映画「風立ちぬ」にも登場する。
その後は1977年の第1回鳥人間コンテスト優勝機の設計を担うなど、90年に亡くなるまで生涯にわたって航空機に携わった。
※会期は6月30日まで。