読んでたのしい、当たってうれしい。

美博ノート

カバの像

豊田市博物館「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」

紀元前1938~同1539年頃 高さ7.6×幅11.4×奥行き5.7センチ

 エジプトで古くから生命の源とされてきたナイル川。その沼地に生息するカバは、豊穣(ほうじょう)と再生の象徴とみなされた。さらにメスのカバが猛烈な勢いで子どもを守ることから、その力で死者の魂を守ってもらおうと人々はカバの像を墓に収めたという。ナイル川岸の植物文様が描かれた「青いカバ」は、ルーブル美術館やメトロポリタン美術館も所蔵している。

 本作の見どころは、極端に短い脚。攻撃的なカバに死者が襲われることを恐れたため、脚をあえて折り取って副葬したとされる。会場では折り取った跡が分かりやすいよう、上下を逆さにして展示している。
 古代エジプトでは「神聖なものが動物の形で現れる」という考えのもと、様々な動物があがめられた。死後の世界でのペットや奉納品としても扱われていたという。会場では他にもサル、ネコ、ジャッカル、トガリネズミの像なども紹介している。

(記事・画像の無断転載・複製を禁じます。すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

美博ノートの新着記事

  • 自画像 スケッチブックを抱え、険しい顔つきの青年が荒野を歩いている。

  • あすか・夏 青々とした夏草の草原を、鳥の一群が渡る。

  • 青い白い鳥 岩倉壽と同年代で、高校、大学と教壇に立ちながら日本画の制作を続けた烏頭尾精(1932~)。

  • 蕪(かぶら)と茄子(なす) 戦後の京都画壇を代表する山口華楊(かよう)に学んだ日本画家、岩倉壽が亡くなる3年前に描いた本作。

新着コラム