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【おいしい韓国映画・ドラマ】
『リトル・フォレスト春夏秋冬』の「ジョン(チヂミ)」

 今年も残すところあと数日。間もなく新しい年がやって来ます。お正月の楽しみと言えば、何といってもおいしい料理ですが、韓国のお正月では一体どんなものが食べられているのでしょうか? その一つが野菜や肉、魚などの食材を小麦粉の生地にくぐらせて焼いた「ジョン」。日本では「チヂミ」という名でも呼ばれています。映画「リトル・フォレスト 春夏秋冬」(2019年日本公開、イム・スルレ監督)では、大自然の中で自給自足の暮らしを送る主人公が、おいしそうな白菜のジョンを作っていました。

 第5回 『リトル・フォレスト 春夏秋冬』の「ジョン(チヂミ)」 

Ⓒ2018 Daisuke Igarashi /Kodansha All Rights Reserved.

 大自然の中で自給自足の暮らしを送りながら、自分自身と向き合う女性の姿を描いた日本の人気漫画「リトル・フォレスト」(作・五十嵐大介)。2014年には、橋本愛さんの主演で映画にもなりました。そんな人気作が海を渡り、韓国でも映画化されています。

 恋愛も、就職も、何一つうまくいかない都会の暮らしから抜け出し、故郷に戻ることした主人公のヘウォン。大自然の中で一人暮らしをしながら、自ら育てた農作物で食事を作り、味わう。そんなゆっくりと流れる時間の中で、ヘウォンは生きることの意味を見つめ直していきます。

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 物語はもちろんのこと、目を奪われるのがテンジャンチゲ(韓国式みそ汁)やスジェビ(韓国式すいとん)、コングクス(豆乳スープの冷麺)といった、韓国で昔から食べられてきた定番料理の数々。ヘウォンは幼い頃、母親がそうしてくれたように、実家の台所で一つひとつ丁寧に料理し、大切に頂きます。

 その一つ、白菜を使ったジョンも韓国の食卓によく並ぶ家庭料理です。とれたての白菜の葉をちぎって、小麦粉を溶いた生地にさっとくぐらせ、フライパンでカリッと焼くだけ。これがシンプルだけど、何ともおいしそう。映画の中では、同じく小麦粉で作ったスジェビと一緒に味わっていました。

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 白菜だけでなく、カキやシイタケ、カニカマなど、さまざまな食材に生地を付けて焼けば、ジョンになります。日本で言うところの天ぷらのようなイメージでしょうか。日本ではさまざまな具材を生地と混ぜて焼いたものを「チヂミ」と呼んでいますが、実は「チヂミ」というのは韓国南東部・慶尚道などで使われている方言。一般的には、「ジョン」や「プッチンゲ」と呼ぶことが多いそうです。お正月やお盆には先祖へのお供え物としてさまざまな種類のジョンが作られ、集まった家族や親族たちで頂きます。


(イメージ画像)

 韓国では陰暦でお正月を祝うため、毎年日付が変わり、2023年の元日は1月22日。その前後が連休となります。お正月には日本と同様、多くの人たちが故郷に戻り、家族や親族たちと食事を楽しむのが恒例。ジョンのほか、トック(韓国式お雑煮)やチャプチェなどもお正月料理の定番です。

 間もなく迎えるお正月。おいしい料理で心と体を癒やし、素晴らしい1年の始まりを迎えてください。

【作品情報】

「リトル・フォレスト 春夏秋冬」

製作年 2018年

製作国 韓国

監督 イム・スルレ

出演 キム・テリ、リュ・ジュンヨル、チン・ギジュ、ムン・ソリほか

Ⓒ2018 Daisuke Igarashi /Kodansha All Rights Reserved.

発売元 『リトル・フォレスト 春夏秋冬』上映委員会

販売元 TCエンタテインメント

価格 4180円(DVD)

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