アートリップ

フィッシュダンス 
フランク・ゲーリー作(神戸市中央区)

コイ踊る メリケン波止場

ライトアップは毎日、日没~午後11時半ごろ=滝沢美穂子撮影

ライトアップは毎日、日没~午後11時半ごろ=滝沢美穂子撮影

  • ライトアップは毎日、日没~午後11時半ごろ=滝沢美穂子撮影
  • メリケンパークにあるオブジェ「オルタンシアの鐘」と神戸ポートタワー=滝沢美穂子撮影

 昨年、開港150年の神戸港。メリケンパークの玄関口では、勢いよく尾を曲げて跳びはねるコイの巨大なオブジェが迎えてくれる。

 米国の建築家、フランク・ゲーリー(88)の日本で唯一の作品だ。高さ22メートルほど。金網めっきの板を2枚重ねにした約1300枚を、鉄骨の骨組みに手作業でつなぎ合わせている。1987年、開港120年を記念して、鯉川(こいかわ)の川尻にあった同地に、アパレル会社ワールドが魚のオブジェを企画。招かれ現地を見たゲーリーが、食事の席でナプキンに描いた「波に乗る魚」のデザインがコンペで選ばれ、建築家・安藤忠雄監修のもとに作られた。

 ゲーリーとコイのつながりは深い。幼少時はコイが泳ぐのをよく眺め、長じては日本の浮世絵に描かれたコイに影響を受けたという。泳ぐ際のフォルムの研究から、ゲーリー建築の動きのある曲線が生まれた。本作の制作後、そうした建築が次々と世界各地で発表された。

 オブジェは、その後、紆余曲折(うよきょくせつ)を経て、2014年に神戸市の所有となった。昨年の公園リニューアル工事で、作品の周辺も植栽が整い、見やすくなった。市みなと総局経営課の長井勲さん(43)は、「メリケンパークを象徴する作品。これからも大事にしていきたい」と話す。夜間、尾にライトアップの光を浴び、コイは生き生きと踊っているように見えた。

(石井久美子)

 メリケンパーク

 1987年、神戸港開港120年を記念してメリケン波止場のあった場所を整備した公園。広さ約7万6000平方メートルに、神戸海洋博物館などがある。2017年4月にリニューアルオープンし、コーヒーショップやフォトスポット「BE KOBE」を設置。LEDで夜間のライトアップも行っている。一角には、1995年の阪神大震災当時の港の状態を保存した神戸港震災メモリアルパークもある。

 《アクセス》元町駅から徒歩約10分。


ぶらり発見

シーフードバターカレー

 オブジェに隣接するFISH IN THE FOREST TOOTH TOOTH×そら植物園(TEL078・334・1820)は、プラントハンター西畠清順さんとコラボしたカフェ・レストラン。世界の植物があふれる店内では、魚の形をかたどったシーフードバターカレー(写真、1404円、サラダとドリンクバーつき)が味わえる。

 メリケンパークから徒歩約10分の神戸みなと温泉 蓮(TEL381・7000)は、宿泊・食事もできる健康増進施設。地下1150mからくみ上げる天然温泉で、露天風呂は源泉掛け流し(日帰り入館料2559円~)。

(2018年1月9日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

広告
「アートリップ」の新着記事 一覧を見る
The Secret Pond(秘密の池) ルーディ・キスラー作(長崎県・福江島)

The Secret Pond(秘密の池) 
ルーディ・キスラー作(長崎県・福江島)

長崎・五島列島の福江島。空港から島随一の絶景地・大瀬崎灯台へと、玉之浦湾の入り江を見下ろす山あいの道を車で向かう。ふいに木々が途切れた場所で眼下を見やると、不思議な風景が目に飛び込んできた。

星座`94横浜 平山郁夫原画監修(横浜市西区)

星座`94横浜 
平山郁夫原画監修(横浜市西区)

パシフィコ横浜・国立大ホールのエントランスに入ると、頭上に星空が広がった。巨大なステンドグラスの作品だ。

佐渡の版画 大川版画グループのみなさん作(新潟県佐渡市)

佐渡の版画 
大川版画グループのみなさん作(新潟県佐渡市)

両津港でフェリーを降り、海沿いを車で15分ほど走ると、木造の古い家や白い漆喰(しっくい)の蔵の外壁に何か飾られているのが見える。たくさんの版画だ。

Work 2012 三島喜美代作(東京都品川区)

Work 2012 
三島喜美代作(東京都品川区)

都心と羽田空港を結ぶ東京モノレールの天王洲アイル駅。高層のオフィスビル群を抜けると、思わず足が止まった。目の前に現れたのは、巨大なくずかご。

新着コラム 一覧を見る
観光客をほっこり温める「癒やし系」

ご当地キャラ大集合

観光客をほっこり温める「癒やし系」

首都圏周辺のご当地キャラクターを紹介する「ご当地キャラ大集合」。第5回は神奈川県箱根町・強羅の「ごうらん」です。

「花を摘む男女」

美博ノート

「花を摘む男女」

戦前~1980年代、愛知県瀬戸市は欧米輸出用の陶磁の置物や装飾品「ノベルティ」の一大産地で、最盛期には300社以上の工房が腕を競った。本展は戦後以降に作られた約250点で、その魅力を紹介する。

横浜市歴史博物館

気になる一品

横浜市歴史博物館

原始から現代の暮らしを紹介する横浜市歴史博物館。ショップでは、脱力系のキュートさが漂う「手づくり 顔面把手(とって)」を販売する。

横山大観 足立美術館

私のイチオシコレクション

横山大観 足立美術館

今年生誕150年の横山大観(1868~1958)。日本美術院の創設、再興に携わり、明治、大正、昭和にわたって、富士図、花鳥画、山水画などを描いた近代日本画家です。

♪プレゼント♪

マイページへ 新規会員登録

プレゼント応募時に1度会員登録をされると、以後はパスワードなどの入力だけでご応募いただけます。