アートリップ

太陽の橋 
福田繁雄作(福岡県北九州市)

錯覚とシンボルの融合

橋の全長は約80メートル、幅員36~43メートル=桐本マチコ撮影

橋の全長は約80メートル、幅員36~43メートル=桐本マチコ撮影

  • 橋の全長は約80メートル、幅員36~43メートル=桐本マチコ撮影
  • 通称マカロニ星人。正式名称は「宇宙七曜星の精」=桐本マチコ撮影

 小倉駅から小倉城に向かって大通りを歩いていくと、突然色とりどりに彩られた橋が現れた。足元には花の絵柄が力強く描かれ、道路沿いには、7体の奇妙な頭をしたオブジェが同じ姿勢で並んでいる。急にパラレルワールドに迷いこんだような不思議な感覚を覚えた。

 橋は「太陽の橋」と呼ばれ、北九州市の中心を流れる紫川にかかる「紫川10橋」の一つ。同市の「紫川マイタウン・マイリバー整備事業」により、1992年に完成した。10本の橋はそれぞれモチーフが異なるが、太陽の橋のデザインを手がけたのは、視覚のトリックを駆使したグラフィックデザイナー、福田繁雄(1932~2009)だ。

 欄干は同市を囲む山並みを表現。足元の絵は仕掛けがあり、間近で見ると市花のヒマワリに。そばの市役所の展望室から見ると、太陽のコロナに見える。オブジェは通称「マカロニ星人」。頭の空洞部分は太陽の光を受けると、春分と秋分の日前後だけヒマワリの形の影が地面に映るという。福田が得意とした錯覚と、市のシンボルが融合した作品になっている。

 「面白いから、県外から友達が来ると、ここに来て記念に写真を撮ってもらう」と話すのは、静岡から来た友人を案内していた迫田知子さん(46)。記者もマカロニ星人と一緒にパチリ。旅の記念になった。

(吉田愛)

 紫川マイタウン・マイリバー

 北九州市の中心を流れる紫川の氾濫(はんらん)防止と、川を生かした街づくりを目的として、1990~2011年にかけて行われた事業。松本清張記念館や小倉城庭園など文化施設も新設。「紫川10橋」は「太陽の橋」のほか、小倉城の石垣をコンセプトにした「石の橋」、明治期まで続いた鵜飼(うか)いの、いさり火をイメージした「火の橋」など、同市の歴史やシンボルをデザインに盛り込んだ。

 《作品へのアクセス》小倉駅から徒歩15分。


ぶらり発見

ネジチョコ

 小倉駅から徒歩2分の北九州市漫画ミュージアム(TEL093・512・5077)は、松本零士をはじめとする、同市ゆかりの漫画家の作品や関連資料を展示。企画展のほか、漫画の描き方をプロが教える「漫画スクール」なども開催する。

 お土産に人気なのがネジチョコ写真、5個入り432円、15個入り1080円)。市内の菓子店グランダジュール(TEL475・7700)が開発した。ものづくりの街をイメージしたボルトとナット形のチョコレートは、実際に締めることもできる。小倉駅構内などで販売。

(2018年1月16日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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