アートリップ

屋内広場sola
石上純也作(神奈川県厚木市)

「雲」をくぐって遊びましょ

壁は鉄骨の下地にモルタルで成形。空間を広く使うため、天井をはがして配管を整理した

壁は鉄骨の下地にモルタルで成形。空間を広く使うため、天井をはがして配管を整理した

 モクモクと広がる雲のような形の壁が目前に迫った。神奈川県厚木市の複合施設「アミューあつぎ」8階。高さ約4メートル、幅約8メートル、厚さ約40センチの形の違う壁36枚が、約2千平方メートルのフロアを緩やかに仕切り、壁をくぐるたびに新しい空間が展開する。昼時の屋内広場は、隙間を縦横無尽に走り回る子どもたちでにぎわっていた。

 古来、交通の要衝として栄えた厚木は、高度経済成長期に人口が急増したが近年は横ばい気味。市は今後の人口減を見越して、子育て施策を推進する。同施設は、本厚木駅から徒歩5分の元商業ビルを市が買い取って改修し、2014年に開業。5~8階は市の公共施設で、8階は親子向けの階として、屋内広場のほか子育て支援センターや託児所を設置した。

 空に浮かぶ雲をイメージした壁に「三つの施設を仕切りながら、一体感を出してつなげ、遊具の役割も持たせた」と話すのは、設計を担当した同市出身の建築家・石上純也さん(45)。壁をゲートに見立てるなど、想像をふくらませて空間の使い方を変えられる自由度を残した。荷重制限のため、下の階の梁に沿って壁を配置。模型で子どもの目線から空間のつながりを確認し、形を調整した。

 広場には、食事用の机と椅子が設置され、遊具も充実。2人の子どもを連れた北村恵理さん(32)は「1歳の子は壁越しに『いないいないばあ』をするのが好き。買い物後に寄って互いに楽しめる」と笑顔を見せた。

(上江洲仁美、写真も)

 アミューあつぎ

 ビル内には、17の物販店などが並ぶ。8階の年間利用者数は約10万人。子育て支援センターには保育士が常駐し、気軽に子育ての相談ができる。


ぶらり発見

 本厚木駅から徒歩3分、菓子問屋の千石(問い合わせは046・221・3908)では、約60種類の駄菓子を量り売りしている。素朴な味わいのジャムサンド(250円)や芋けんぴ(220円、いずれも200グラム)など、飽きのこないおいしさ。

七沢温泉・七沢荘 七沢温泉・七沢荘(問い合わせは248・0236)は、厚木バスセンターからバスで30分、徒歩8分。とろみのある強アルカリ性の温泉は、「美肌の湯」と評判=写真。入浴料中学生以上1100円、小学生770円、3歳以上550円。

(2019年12月10日、朝日新聞マリオン欄掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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